大きな夢(高校生の皆さんに) 筆者:橋本 光央 更新日: 2020年7月30日
コラム
小学生の頃の夢は何でしたか。
お花屋さん、ケーキ屋さん、サッカー選手、ユーチューバー、etc.
ところで、夢は大きければ大きいほど実現することをご存知でしょうか。
大きな夢は、考えるだけで楽しいものです。
将来、自分が「こんなにすごくなる」と思うだけでわくわくするものです。
どきどき・わくわくして楽しいから、夢に向かって頑張れる。
そう、楽しい夢があれば「それを実現するために頑張る」、
だから実現する確率が高くなるのです。
ところが最近は、夢が小さい子供たちが増えているとか。
別の言い方をすると、現実的な子供たちが増えているということです。
でも、すぐに手が届くような夢だったら、
たとえ夢のことを考えてもわくわくしないものです。
だから頑張れないのです。
そして、ここからがもっと大きな問題だと思うのですが……。
最近の大人たちは、頑張れない子供たちに対して、
つい「こんなのもある」「あんなこともできる」と
手厚いフォローをしてしまう。
挙げ句の果てには、
少しでも成果が上がると、
「たいへんよくできました」の大盤振る舞いを行う。
それで、子供たちは、努力しなくても「たいへんよくできる自分」を
「特別なんだ」と錯覚し、
ますます努力をしなくなる。
結果、夢も何もないままに、
大人から与えられたものだけは完璧にこなすものの、
それ以外は何もできないし、努力もしない……。
少し話がそれますが、
何の根拠もないままに、
「自分は特別なんだ」と思ってしまう感覚は、
現代の若者に蔓延しているような気がします。
その一つの例が、何の根拠もないのに
「オレはコロナには罹らない」と思う多くの若者が、
自分勝手な行動をするに至っているのではないでしょうか。
さて、あなたの夢は何ですか。
この文章のはじめには、
例としてお花屋さん……と書きましたが、
これは「小学生は、自分と接点のある世界が小さい」ために
判断材料が少なく、あまり選択肢がないためです。
だから、もっと知識をつけて、いろいろな経験を積んで、
判断材料をいっぱいにして、
自分にとっての「一番大きな夢」を見つけてほしいと思います。
なぜなら、「大きな=大好きな夢」を追うのはとても楽しいことだし、
大きければ大きいほど夢は実現するものだから。
【プロフィール】
1989年より大阪北予備校に勤務、
2007年より大阪国際滝井高校に勤務。
橋本喬木・天野大空のペンネームにてショートショートを執筆。
光文社文庫『ショートショートの宝箱』シリーズ等に作品掲載あり。
web光文社文庫(https://yomeba-web.jp/special/ss-cam/)にて作品を無料公開中。