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任せる 筆者:羽根田 ひとみ

昭和の時代、高速道路がまだなく、
国道沿いのドライブインは
大型バス等も入り大繁盛だった。
私は物心つく頃から店の手伝いで、
1日に、玉ねぎを50~100個をむいた記憶がある。
盆と正月は稼ぎ時!
子どもながらわくわくしたものだ。
特に年越しは、「夜通し営業」だったので、
早く大きくなって一緒に仕事をしたいと思っていた。

また、自宅で栽培していた桃を、
直売していたため、
夏休みは桃売りになった。
小学校高学年になると、1人で売っていた。
二人の姉とローテーションを組んで、
忙しいときはあっという間に時間が過ぎたが、
暇だと飽きてしまってつらいものだった。
父は宿題をやりながらでやれと言っていたが、
お客さんを待つ時間は辛いものだ。

その日のうちに売ってしまわないと桃が傷んでしまうので、
とにかく工夫をして売った。
時間帯によっては値引きだ。
2箱で1箱分の料金。
「全部売らないと帰れないから持ってって」と
呼びかけたこともある。
また、お客さんがぬいぐるみの業者で物々交換したこともあった。
売り方は、任されていた。
その場での判断を任されていた。
いろいろ工夫した話を、家族と話すのが楽しかった。
一日の終わりに売上報告。
父とお札を数えて、
「今日は今年の最高売上だ!」
と伝え、そして次の日の作戦を立てたものだ。

ふと当時の仕事をした頃を思い出した。
仕事は任せたほうがうまくいく。
最近3、4年目の後輩たちからの相談が減った。
これは、嬉しいことである。
そしてその後輩たちが1、2年目の社員へのアドバイスが、
的確であることが嬉しい。
任されると責任を持つ。
任されると本当の仕事の面白さを見つけることが
できるのではないだろうか。

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