成人の日の長い一日 筆者:羽根田 ひとみ 更新日: 2020年7月29日
第2子長男の成人式では、
第1子長女が紋付き袴を着付けをした。
男子の和装はいないという友達情報があり、
当日、少し恥ずかしそうだったが、
この日のために長女が着付けの練習をしてきたので、
予定通り着せてやった。
私の姉は着付け教室を開いている。
彼女は寝るときと畑仕事以外は着物を着ている。
「和装は残したい日本文化だ」と常々口にしているので、
長女が着付けを習ってくれることをとても喜んだ。
練習のとき、姉は、
私が大学卒業時の着物と袴を出してきた。
私の母が自分の着物を私の卒業式に合わせて、
染め直してくれたものだ。
長女はとても気に入り、
今年の卒業式に自分で着ると張り切っていた。
成人式当日、長女の着付けはうまくいった。
私は長男の友達らを、車で「拾って」式場に向かった。
当時やんちゃ坊主だった子たちもすっかり大人だ。
成人式が終わりクラス会(飲み会)にいくために、
長男を駅まで送って行った。
わざわざ同乗させたのは、
ぜひ伝えたいことがあり、
面と向かってでは恥ずかしいから、
車の中がいいと思っていたからだ。
「ここから先は自己責任ね。
もちろん困ったことがあったら相談に乗るけど、
社会人として責任を持った生き方をしてってね」
「あー」とだけ返事を残して、
長男は駅で待つ仲間に加わった。
そして振り返って手をふった。
長男の学年の親たちのグループラインが入った。
「大人の成人式をやりましょう」とある。
10家族の飲み会になった。
担任の先生が作ったDVDを鑑賞しながら、
共に子育てを楽しんだ思い出話に盛り上がる。
また、第3子の次女は、
「私の学年のタイムカプセルはうちが屋根裏に預かっている」
と言った。
すっかり忘れていたので捨ててしまったのではと焦ったが、
どうやら無事。
また2年後の成人の日が楽しみだ。
成人の日。
多くの人達と、思い出話とこれから先の話をした。
子供の成長は早く、いろいろなことがあった。
なんであんなに頑張れたのだろうと改めて思う。
そして、それぞれの場面で助けてくれた人たちの顔が浮かぶ。
子供たちがいてくれたことで、とても良い日々を送れたことに感謝する。
かかわった人たちとみなで、
二十歳の若者たちの
前途を祝した長い一日だった。