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じゃがたら通信(その1) 筆者:城所卓雄

「はしがき」

「じゃがたら」通信というタイトルから、どういった内容を想像されますか。
筆者は、外務省に約43年間勤務中、ロシアに3回通算約10年間、モンゴルに3回通算約9年間、米国に3回通算7年間、それぞれ勤務しましたが、「じゃがたら」と言う所には、勤務するチャンスはありませんでした。しかし、「じゃがたら」には、合計5回出張する機会がありました。
外務本省に勤務時代に、1988年から当時の経済協力局並びにJJCAにそれぞれ3年間勤務した際、「じゃがたら」を1回ずつ出張しました。さらに、名古屋大学の特任教授時代に、名古屋大学の博士課程教育リーディングプログラムを支援するため、2017年8月、2018年2月、2019年2月の計3回、リーディングプログラムの大学院生を引率して、「じゃがたら」を訪問しました。
ここであかしてしまうと、「じゃがたら」は、インドネシアの首都ジャカルタを指します。では、なぜ、ジャカルタが「じゃがたら」なのでしょうか。

最近3年間の訪問の際、現地でのガイドは毎回HISの社員で、日本への留学経験のある方(複数)でした。筆者は、外交官体験から、国名・地名、氏名、固有・普通名詞の意味・語源に関心・興味がありましたので、このガイドに、次のような質問をしました。
「長崎チャンポン」の「チャンポン」は、インドネシア語の「チャンプール」で、「調理する」と言う言葉から日本語に入った言葉であると認識していますが、これ以外に、インドネシア語から日本語に入って来ました言葉がありますか」、と照会しました。
すると、次のような回答があり、びっくりしました。それは、「ジャガイモ」でした。1642年以後、「ジャカルタ」が「ジャガタラ」と呼ばれ、その意味は「勝利の街」でした。特に、16世紀の末に、当時のオランダ商船が日本に持ち込んだ物が、「ジャガタラから来たイモ」が、それが略されて「ジャガイモ」となりました。
さらに、次のような面白い紹介もありました。インドネシアの国章は、ガルーダでその意味は、鶏のワシを意味し、インドネシアの航空会社名に使用されております。

 以上のような背景をもとに、「じゃがたら通信」は数回にわたり、インドネシア出張・訪問などの体験から得た同国での印象を綴ります。

【プロフィール】
1969年、外務省入省、
在サンクトペテルブルク総領事を経て、
駐モンゴル大使を最後に、2011年11月外務省を退職。
東大の非常勤講師、名大の参与・客員教授・特任教授を経て、
現在、名大の非常勤講師。
モンゴル国立大学より
名誉経済博士号および名誉外交学博士号を授与、
モンゴル国立教育大学ならびに同医科大学より名誉教授、
同科学技術大学より顧問教授などの称号を授与。
2012年より、ライセンスアカデミーの学術顧問。

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