ルールを守れるか 筆者:小林 英明(元都立高校進路指導主任・多摩地区高等学校進路指導協議会事務局次長) 更新日: 2019年9月2日
先日、ある教職員向け情報紙に掲載された
若い先生の投稿に、
次のような記述がありました。
「金髪・ピアスの職員がいる作業場なのに、
就職試験を受ける高校生には認めない。
それは子どもの感覚からすれば理不尽なんです。
そこに対して理屈はなく、採用試験で求められているから、
としか言いようがないんです」
よく聞く話です。
私も生徒に質問されたことがあります。
若い頃には、
「理不尽なことは世の中にいくらでもある。
そんなことに不満を言ってはいる暇があったら、
面接の練習をしなさい」などと
答えにならない無茶な答えをしたこともありました。
私も当時は生徒と同じ感覚だったのかもしれません。
それぞれの世界、社会にはそれぞれのルールや常識があります。
多少理不尽なものがあることは否定しませんが、
それを守ることはその世界で生きて行くためには欠かせません。
現在置かれている社会のルールを守れない者が、
これからの社会でルールを守っていけるかどうか疑われるのは当然です。
高校生としての常識、
在学している学校の規則を守っているかどうかは、
社会人、企業人としてのコンプライアンス精神にもつながります。
アルバイト従業員の「不適切な行為」から
役員の「不正行為」まで話題になり、
企業では今まで以上にコンプライアンスが重視されている昨今、
それぞれの社会でルールを守ることは何よりも大切なことです。
そして、「ルールや規則は守ります」と口で言うよりも、
実際に守っている自分を見せるほうが
説得力を持つことは明白です。
(元都立高校進路指導主任・多摩地区高等学校進路指導協議会事務局次長 小林英明)
【筆者プロフィール】
1976年より都立高校教員。
2004年より都立拝島高校勤務、
2010年より進路指導主任として主に就職指導に当たる。
2019年3月定年退職。