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緊張する4月の電話(1) 筆者:小林 英明(東京都立拝島高等学校 進路指導部)

新年度が始まりました。
年度初めの4月に、
その年に生徒が就職した企業からの電話があると本当にどきどきします。
9月後半からの採否連絡時期もかなりどきどきしますが、
4月はその時期よりも緊張して電話に出ます。

ある年の4月1日には、
「○○君が入社式に出社しません。電話にも出ません」
という電話が入りました。
学校でも大慌てで連絡を取ったら、
本人は日程を勘違いして家で爆睡中、
などという社内で語り継がれそうな大ポカ事件もありました。
こんな話で済めばいいのですが、
時折「この度入社して頂いた○○君が出社しなくなりました」とか、
「研修後に○○さんから辞めたいとの申し出がありました」などという
連絡が入ることがあるから緊張感が高まるのです。

3ヶ月とか半年とか働いて仕事が合わない、人間関係がうまくいかない、
というのならまだ分かるのですが、
実際の業務に就くか就かないかの時期に、
辞めたいと言ってしまうのはあまりにも残念です。
そのようなケースでよく聞くのは、
「会社でやって行く自信がない」という「不安」を表す言葉です。

しかし、考えてみればほとんどの高卒生は仕事への自信などありません。
それでも新しい環境に飛び込んで行く生徒は、
「不安」より「期待」が勝っているからです。
ということは、「期待」が「不安」を上回る心理状態を作っておけば
4月当初の出社拒否や離職の防止策になるのではないでしょうか。
次週はその具体策を紹介します。

(東京都立拝島高等学校 進路指導部 小林英明)

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