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いわゆる高等教育の無償化(続3) 著者:小林雅之(桜美林大学総合研究機構 教授)

7月以前の本メールマガジンでも紹介したように、
従来の授業料減免に対する補助金は
国公私立大学を合わせて約515億円というものである。
しかし、
この制度が存続するのか、現時点ではまったく予断を許さない。

各大学は独自の基準で授業料減免を行っているが、
実際には財源の制約で維持するのは
困難な大学もあらわれるとみられ、
学生支援の多様性が失われる可能性がある。
既存の制度では、所得要件は大学によって異なるが、
中所得層まで対象とされている場合も多い。

もし、既存の制度が維持されなければ、
結果として支援の対象を狭めてしまうことになる。
もちろん、すべての学生が同じ基準で学生支援を
受けられることの意義は認められるが、
それに付加して高等教育機関が独自の支援制度をどの程度維持できるか、
この点も現時点では予断を許さない。

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https://shinronavi.com/news/detail/843

(桜美林大学総合研究機構 教授 小林雅之)

【プロフィール】
東京大学名誉教授、桜美林大学教授。
主な研究テーマは「高等教育論」「教育費負担」「学生支援」「学費」。
奨学金問題の第一人者として知られ、『大学進学の機会』(東京大学出版会)『進学格差―深刻化する教育費負担』(筑摩書房)など著書多数。

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