進路ナビニュース

不合格体験記 2019(3年生の生徒のために) 筆者:橋本 光央

新年度が始まりました。
さて、私が予備校で働いていたとき、
4月に入学してきた生徒たちに
「現役合格ができなかった理由」を書いてもらったことがあります。
不合格になったことから学ぶことも多い、
と思ったからです。
今回は、その不合格体験記を紹介したいと思います。
3年生になられた皆さんが、現役合格するために。

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『こうしてアホみたいな高3の1年が終わった』
4月。いよいよ3年生になった。
思えばこの2年間たいした勉強もせず、
家に帰ってテレビを視ては寝ていたが、
これからが本番だ。
志望大学を書いた紙を貼って決意だけは固める。
が、生活は今までと変化なし。

6月・7月。暑い日が延々と続く。
やっぱりドラマは見逃せない。
結局、アイスをくわえてテレビを視る。
8月。とにかく暑い。
だから予備校の夏期講習へ。
やっぱり予備校は学校とは違う。
クーラーが効いた快適な教室。
授業を子守唄に、いつの間にやら夢の中。

9月。周りがあわただしくなる。
どうやら受験を意識し始めたようだ。
どこかのマンガで、
「9月から東大を目指している人」がいたなぁと考えつつ、
とりあえず家に帰って9時まで寝る。
そして秋の夜長。
夜中に起きだしては明々と電気をつけて勉強を始める。
が、気がつけばすぐにうとうと。

10月・11月。
センターの模試でたまたまいい結果が出た。
「ぼくには、やっぱり才能がある」と思いつつも、
生活面の変化は4月からほとんどなし。
12月。センターまで1ヶ月しかない。
とりあえず気休めに、
問題集のつまみ食いをし続ける。
そして最後の神頼み。
12月31日に除夜の鐘とともに徹夜で初詣へ。
なんとか大吉は引いたものの、同時に風邪もひく。

1月20日。自己採点の結果、
模試でもあまり取った事のない482点。
周りをみると、今までずっとぼくより下だった人が
700点近く取っている。
国公立の夢は崩れた。

2月。頭を切りかえて私大受験。
1校目は超安全圏なので勉強しなくてもイイだろう。
……結果惨敗。
次は挑戦校だが神頼みもした。大吉もひいた。受かるかもしれない。
試験後、まあまあよくできたし、受かっているだろう。
電子メールがきた。自分の番号がない。
こうしてぼくのアホみたいな高3の1年が終わった。
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現実と向き合う勇気がない人ほど
「根拠がない自信」に逃げてしまうのではないでしょうか。
できることなら後悔なんてしたくないですよね。
自分の理想とする「あのころの未来」に立ち戻りたいものです。
そのためには、学生時代である皆さんの今、
逃げることなく、精一杯に生きることです。
頑張れ、一生懸命たち!

(大阪国際滝井高等学校 総務部 橋本光央)

4月11日に光文社文庫から、
『ショートショートの宝箱2』が発売されます。
同書には、ペンネーム「橋本喬木」として書かれた
エッセーが掲載されています。
https://yomeba-web.jp/special/ss-cam/

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