激痛(受験生の皆さんへ) 筆者:橋本 光央 更新日: 2019年7月31日
私、かなり我慢強いんです。
だから、少々の痛みなんて、
へっちゃらです。
例えば高校2年の時、
体育の授業中に肩から落ちて、
鎖骨を折ってしまいました。
そりゃあ痛かったですよ。
でも医者にも行かず、
湿布だけで治しました。
と言っても勝手に治るはずもなく、
折れたままの状態で固まってしまっただけですけど。
最近になってレントゲンを撮ってもらったところ、
医者にビックリされました。「骨が折れている」って。
そんな具合に、とにかく痛みに強い私ですが、
今回は今まで私が経験した中で、
一番痛かったお話をさせていただきます。
それは、予備校でクラス担任をしていたときのこと。
それまでは私立系クラスを担当していたのですが、
その年初めて国立系クラスを受け持つことになりました。
そして、150人の生徒の担任として、1年間、
とにかく必死で指導をしました。
そんなこんなで迎えたセンター試験。
その日は朝から生徒一人ひとりの顔が浮んできて、
とにかく心配で、ずっと生徒たちのことを考え続けていました。
すると、突然、激痛に襲われたんです。
鎖骨の古傷ではありません。
爆発するような頭の痛みに耐えきれず、
職員室の中で倒れ込んでしまいました。
身動きもできないまま、うずくまった私に
「クモ膜下出血かもしれない」と、救急車が呼ばれました。
そして、近くの済生会病院に担ぎこまれ、
MRIを撮ってもらったのですが・・・。
結果は、異常なし。
どうやら、あまりにも生徒たちのことを考え過ぎたため、
150人分のプレッシャーによって引き起こされた、
心因性の頭痛だったようなんです。
次の日になると、あれほどの痛みが嘘みたいに治ったので、
予定どおりに自己採点の集計作業から分析、
そして生徒たちの受験校指導を行いました。
その後、幸いにも満足のいく合格結果が得られたので、
今となっては単なる笑い話ですが。
受験生たちの一生がかかっている大学入試。受験生のみなさんが大変なのは当然のことですが、先生も必死です。
だから受験生の皆さん、とにかく頑張ってください。
先生方はみな、あなたが合格報告に来るのを待って、
身命を賭す覚悟でいるのですから。
(大阪国際滝井高等学校 総務部 橋本光央)