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激痛(受験生の皆さんへ) 筆者:橋本 光央

私、かなり我慢強いんです。
だから、少々の痛みなんて、
へっちゃらです。
例えば高校2年の時、
体育の授業中に肩から落ちて、
鎖骨を折ってしまいました。
そりゃあ痛かったですよ。
でも医者にも行かず、
湿布だけで治しました。
と言っても勝手に治るはずもなく、
折れたままの状態で固まってしまっただけですけど。
最近になってレントゲンを撮ってもらったところ、
医者にビックリされました。「骨が折れている」って。
そんな具合に、とにかく痛みに強い私ですが、
今回は今まで私が経験した中で、
一番痛かったお話をさせていただきます。

それは、予備校でクラス担任をしていたときのこと。
それまでは私立系クラスを担当していたのですが、
その年初めて国立系クラスを受け持つことになりました。
そして、150人の生徒の担任として、1年間、
とにかく必死で指導をしました。
そんなこんなで迎えたセンター試験。
その日は朝から生徒一人ひとりの顔が浮んできて、
とにかく心配で、ずっと生徒たちのことを考え続けていました。
すると、突然、激痛に襲われたんです。
鎖骨の古傷ではありません。

爆発するような頭の痛みに耐えきれず、
職員室の中で倒れ込んでしまいました。
身動きもできないまま、うずくまった私に
「クモ膜下出血かもしれない」と、救急車が呼ばれました。
そして、近くの済生会病院に担ぎこまれ、
MRIを撮ってもらったのですが・・・。
結果は、異常なし。
どうやら、あまりにも生徒たちのことを考え過ぎたため、
150人分のプレッシャーによって引き起こされた、
心因性の頭痛だったようなんです。

次の日になると、あれほどの痛みが嘘みたいに治ったので、
予定どおりに自己採点の集計作業から分析、
そして生徒たちの受験校指導を行いました。
その後、幸いにも満足のいく合格結果が得られたので、
今となっては単なる笑い話ですが。

受験生たちの一生がかかっている大学入試。受験生のみなさんが大変なのは当然のことですが、先生も必死です。
だから受験生の皆さん、とにかく頑張ってください。
先生方はみな、あなたが合格報告に来るのを待って、
身命を賭す覚悟でいるのですから。

(大阪国際滝井高等学校 総務部 橋本光央)

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