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文化の秋 筆者:羽根田 ひとみ

地元の町の文化祭に足を運んだ。
姉が着物教室をしており、
作品の飾り付け手伝いで出かけた。
会場はほとんど年配の方ばかりが占めていたが、
小・中学生をはじめ幅広い層の作品が展示されていた。
油絵、日本画、手芸、折り紙、染物、書道、生け花、工作など。
蕎麦打ちの実演もあった。
準備をしている方々は、みな生き生きとしていた。

その中で、目に留まったのは「自伝」だ。
長く教員を務めていた方が、
現役時代の数々のエピソードを綴ったものだ。
タイトルは「教員を目指す皆さんへ」。
自分の経験を伝える愛情のある自伝だった。

話は変わるが、
5月からお世話になっている先生のところで、
書道を教えていただいている。
こちらも人生の先輩方に囲まれ、穏やかな時間だ。
手作りの惣菜やお菓子をいただきながら、
「わがい人はいいない~」と、言われ気分良くしているのだ(笑)。
さらに、10月中旬には、書道展があり、
先輩方の作品に刺激を受けた。
そこで見つけた作品の言葉を紹介したい。

「滝」(詩:島田陽子)
滝は滝になりたくてなったのではない
落ちなければならないことなど
崖っ淵に来るまで知らなかったのだ
しかし、まっさかさまに
落ちて落ちて落ちて
たたきつけられた奈落に
思いがけない平安が待っていた
新しい旅も用意されていた
岩を縫って川は再び走りはじめる

文化に触れ、穏やかに、
心新たにした秋である。

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