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「相性」の効果 筆者:阿部 三千雄

狭い家庭菜園で野菜を作るとき、まわりの迷惑を考えると、できるだけ農薬には頼りたくない。

そんなとき、あえて違う種類の野菜を近くに植えることがある。生育がよくなったり、病害虫の発生や被害が抑えられたりする「相性」のよさがあるのだ。

こうした作物を、「共栄作物」「共存作物」という。

とくにネギは、キュウリ・スイカ・カボチャなど、ウリ科との「相性」がよく、お互いによい影響を与えることがわかっている。家の光協会から出版された野菜づくりの書籍をめくって得た知識だ。

この「相性」という言葉にピンときたのだが、「学生と大学」にも、こうした「相性」があるようだ。


いま各大学とも、受験校を選ぶ参考に、春休みや夏休みなどを利用して、大がかりなオープンキャンパスを実施し、多くの高校生を集めている。

しかし、何百、何千名という多くの参加者に、大学を十分に理解してもらうには限界があり、たくさんの資料を大きな袋に詰めこんで、持ち帰ってもらっているほどだ。

さらに、特別な日、特別な状況で、自らと大学の「相性」を吟味するのは困難だと考える。


大学に入学して初めて自分との「相性」が合わない大学であることに気づき、それが原因で中途退学に至る数もかなりになると聞く。

大学は、オープンキャンパス以外の平日にも高校生の訪問を積極的に受け入れ、本当に「相性」のよい大学なのかどうか、理解してもらう努力を重ねてほしいと思うのだが。

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