修了式式辞 コラボと発想~ぼうず通信より 更新日: 2018年3月28日
さて今日は修了式です。
1年間を総括すると、
皆さんのすばらしさはコラボすることで大きな力を発揮することでした。
そして、発想が柔軟なところです。
「オリオン祭」のプラレールの影絵は大人を驚かせる発想でした。
コラボする力と発想力、
この二つはこれからの社会を生き抜くための大切な力です。
皆さんは勉強が苦手で学力が低いと思っているかもしれませんが、
そうではありません。
それを証明してみたいと思います。
こんな問題があります。
「地球が逆回転したら、社会生活はどう変わるか」
きっと皆さんの中からは、
これまでの知識や常識にとらわれない面白い答えが出てくると思います。
これを春休みの宿題にします。
考えた人は4月になったら私に答えを教えてください。
ちなみにこれは東大の入試問題です。
学校の学力と社会の学力がいかに違うか、今日はそのお話です。
工業高校を卒業した私の教え子が、
入社時に先輩から勉強ができないと馬鹿にされたそうですが、
今はその先輩が自分の部下になっていると話してくれました。
その教え子よりもっと勉強が苦手だった別の教え子も今は会社の社長です。
彼は赤点ばかりでいつも放課後に補習をやっていました。
そして他の人とは考え方や発想が違っていました。
入社試験も茶髪のまま行って落とされました。
職を転々とする中、ある会社のお葬式に参加することになりました。
彼は黒のネクタイがなかったので、
たまたまあった白のネクタイを締めていきました。
彼の考えでは、お祝いの時は紅白の幕、葬儀の時は白黒の幕だから、
白はどちらでも使えると思ったそうです。
当然、その会社もクビになりました。
さらに、奥さんのおとうさんが亡くなり葬儀に参列したときのことです。
前の反省を生かして黒のネクタイを締めたそうです。
ところが葬儀だからと
わざわざ気を遣って黒い十字架のピアスを付けて行ったそうです。
奥さんの姉に呼ばれ、それだけはやめてくれと言われたそうです。
失敗ばかりの彼でしたが、ある時、会社の先輩に、
発想が奇抜で仲間思いなところが認められ、
空調整備の技術を叩き込まれたそうです。
そして、彼は、会社をクビになったり、
やめたりした高校時代の仲間を集めて、空調の会社を立ち上げました。
学校の成績が一番悪かった彼が社長になりました。
さて、皆さん、高校の成績は人生の成績ではありません。
でも、高校の仲間は生涯の仲間です。
皆さんのまわりに、お葬式に白いネクタイをしていきそうな人はいませんか。
まわりとうまくコミュニケーションが取れない人はいませんか。
すぐに問題を起こしたり、失敗ばかりしている人はいませんか。
自分とは違った考え方や行動をする人はいませんか。
人とはちょっと違う発想や行動をする仲間も何かの可能性を秘めています。
みんなで仲間を大切にしましょう。
新年度は、自分とは少し違う考え方や行動をする仲間とも
コラボできるようにしていきましょう。
そして、仲間の中で自信を持って自分の思いを発信できるようにしていきましょう。
コラボと発想を大切にしていきましょう。
それではまた元気に新学期に会いましょう。
【原典】http://www.akiru-h.metro.tokyo.jp/site/zen/page_0000000_00020.html
(東京都立秋留台高等学校 校長 磯村元信)