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大学にも連作障害? 筆者:阿部 三千雄

狭い家庭菜園を使いながらよい野菜を作るには、いろいろな障害に遭遇する。

その一つが、害虫、病気、はびこる雑草の駆除や予防だ。


家庭菜園の定番ともいえるナス、トマト、ピーマンなどを、同じ場所で続けて作っていると、「連作障害」が起きる。

その野菜特有の病気や害虫が発生して、生育が悪くなり、よい結果が得られなくなるのだ。この障害は、土壌病害が発生して起こるため、目に見えないからいろいろとやっかいだ。

対策としては、家庭菜園を3~4ほどのブロックに分けて、野菜を育てる場所を回していく「輪作」という方法を取り入れなければならない。


やがて来る春に思いを寄せ、そろそろ菜園に何をどう作ろうかと考えていたら、大学にも連作障害ならぬ「連学障害」があるのではないかと、ふと思った。

60年ほど前の大学では、講師の講義ノートが、先輩から後輩にバトンタッチされ、無事単位が取れたなどという、眉つばものの話もあった。だが、授業改善が進んだいまの大学では考えられない。

ただ、4年間同じキャンパスで、刺激のない校舎の中だけで学んでいたのでは、ことによると連作障害に似たような原因で、多くの退学者が出ているのではないだろうか、とも考えてしまう。


大学は、夏季集中講座や短期合宿講座を、自然環境の良い場所で実施してはどうだろうか。

学生たちに、精神的な安らぎと開放感を与えることで、新鮮で効果的な学習につながると思うのだが。

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