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外来野菜から思うこと 筆者:阿部 三千雄

この時期、あちこちの菜園をのぞいてみると、ブロッコリーやカリフラワー、リーフレタスやチンゲンサイなど、比較的寒さに強い野菜が元気に育っている。

これらはみんな「外来野菜」だ。

戦後、日本が平和になって生活が安定し、食生活が多様化した頃、これらの野菜が世界の国々から日本へ渡ってきたのだ。いまではすっかり日本の気候・風土に根づいていて、毎日の食卓に顔を出している。

小さなわが家の菜園までが、こうしたグローバル化の恩恵を受けている現状を見ていると、ふと、国が進めている『留学生30万人計画』が気になってきた。


この計画では、大学等のグローバル化の推進で“魅力ある大学づくり”を実現するため、2020年までに留学生を30万人受け入れるとしている。

そこには、多くの留学生に日本をよく理解してもらって日本ファンを増やし、将来、日本を、世界により開かれた国にして、アジアなど世界への発信も増やしてほしいという期待も込められている。


しかし、いま大学の現場では、日本の18歳人口の減少を留学生によってカバーしている、という厳しい指摘も聞こえてくる。それだけでは、日本に留学してくれた意義は半減してしまう。

大学は、留学生たちの卒業後のフォロー、在学中の生活環境づくりなどを誠実に実行する必要がある。

そうして初めて国際色豊かなキャンパスが誕生し、日本ファンが増えるのではないか。

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