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昔ばなしはしてもいい 筆者:羽根田 ひとみ

毎年、母校から卒業生講演の依頼が来る。
30年以上も前の卒業生なのでどうかと思っているのだが、
ありがたくお受けしている。

苦労話と自慢話は若者に受けないだろうと、
内容を考えてはみるものの、
結局はそうなってしまう。

自転車で雨の日も雪の日も、
そして強風の日、田んぼに落とされながらも立ち漕ぎで通ったこと。
生徒会役員をしていたとき、球技大会を2回にしたこと。
(今でも3月に球技大会があるのは、そのためだ)
本気で部活をした時期、1日に5食も食べていたこと。
そして、大学時代、その後の進路などを披露している。

意外にも生徒はよく聴いている。
アンケートを読むと、
「私も部活をがんばって、成績を残したい」
「自転車通学がんばってみます」。
そして、私に対する励ましの言葉が書かれている。
さらに、いろいろな質問も書かれている。
(びっくりしたのは、「私の母親はどんな人でしたか」の質問)
職場ではなるべく、昔の話をしないように気をつけているが・・・

さて、ある民放テレビ局では「しくじり先生」という番組を放映し、
好評を博していると聞く。
失敗から学ぶところは多い。
最近弊社では、同じタイトルを掲げ、
過去の経験談を話す機会を設けているが、
後輩社員に経験談を話す機会は必要だと思う。

先生の昔ばなしを、生徒は待っている。
たとえ、苦労話、自慢話になってもいい。
そのときは、ぜひ「しくじり」も含めてほしい。
これから生きていく上での糧になるはずだ。

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