進路ナビニュース

6月の職員室

 6月に入り、皆さんの学校でも教育実習生を受け入れている時期でしょうか。
 本校でも10名の卒業生が、授業見学、授業準備、ホームルーム指導、部活動指導などで校内を走り回り、悪戦苦闘しているところです。
 その中の一人、英語科の実習生が私の授業を見学しに来たので「10分やるから後輩たちに何か話をしてみろ」と振ってみました。
 すると、初めての教壇ということで、顔を真っ赤にしながらではありますが「僕は4年前に何度も地獄を味わった男です。みんなのこれからの受験に少しでも役に立てばと思い、話をさせてもらいます」と、興味深い体験談を披露してくれました。

【地獄①】
 3年間サッカー部に所属し、高校3年生の8月まで部活を続けていました。その後で第一志望の『K學院大学外国語文化学科』を指定校推薦で受験したかったのですが、自分より評定の高い人に持っていかれてしまいました。9月半ばのことでした。

【地獄②】
 次にAO入試で同じ大学を受験しました。1次(小論文)は通過しましたが、2次(英語の筆記・面接)で落ちました。11月半ばのことでした。この時点では、特に理由もなく合格できると勝手に思っていたので(笑)、一般入試・センター試験の勉強などはほとんどやっていませんでした。このときの偏差値は40。とにかく勉強するしかなかったけど、センター試験は諦めて一般入試に絞って勉強をすることに決めたんです。その後で受けた最後の模試でも偏差値40のまま、とにかく2ヵ月半必死で勉強しました。

【地獄③】
 同じ大学を3回受験したんですが、1回目はマイナス30点。2回目もマイナス30点。3回目マイナス7点。(生徒少しどよめく)でも不合格は不合格。

【地獄④】
 しかし、『K澤大学GMS(グローバル・メディア・スタディーズ)学部』は、何と補欠の17番目だったのです。(オー)ですが、合格になるかどうかは運次第。そこで気になるのが前年はどうだったのか? 調べてみたら、前の年は30名が繰り上げ合格になっていました。これは期待できる! しかし、1次の繰上げ合格者は0名。次は来るだろう! と思ったのですが、なんと2次の繰り上げ合格者も0名。3月27日に3次繰上げ合格の発表が残っていましたが、さすがに自分も親も諦めモードに入り、浪人する覚悟を決めていました。

 ところが、ちょうどバイトに行ってるときに、同じ学部を受験して補欠30番になっていた友だちから「補欠17番まで繰り上げ合格になってるよ!」とメールが入りました。(どよめく)そうなんです。晴れて大学生になれたんです。合格できたんです。(拍手喝采)
 翌日の28日にコナカにスーツを買いに行き、4月2日に入学式でした。この一週間で人生が180度変わりました。まさに地獄から這い上がってきた感じです。
 そのときの喜びは今でも変わっていないので、僕は大学生活を200%満足していると自信を持って言えます。
 11月半ばから、約2ヶ月半で偏差値を20近く上げたことになります。今は6月です。僕がもし6月から勉強を始めていたら、間違いなくW稲田大学に合格していたはずです(笑)ですので、みんな最後まで絶対に諦めずに頑張ってほしいです。聞いてくれてありがとう。(拍手喝采)

 この教訓に満ちた話に、生徒たちはたくさんの勇気とヤル気をもらったようです。教員がどんな話をしたところで、先輩の体験談に勝るものはないですね。
 今回は長文で失礼しました。それではまた来月。

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