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役者であれ 筆者:羽根田 ひとみ

「人生はドラマである」
進路指導にピッタリなフレーズである。
生徒一人ひとりが、皆「主役」なのだ。
そしてシナリオも自分で書く。
どう生きたいかを書くのだからワクワクするはずだ。

その際に必要になるのはモデル、つまり、
かっこ良く生きているように見える人や尊敬する人なのだろう。
だから、私たち講師は、
なりたい理想像を描き、成功者を演じることになる。
時には(個人的に)辛く悲しいことがあっても、
「苦あれば楽あり」と前向きにとらえ、
それが人生のおもしろいところだと伝えていきたい。

教師の心構えとしてしばしば言及される
「五者の精神*」の中にも、
「役者であれ」が含まれている。
城山三郎の小説『今日は再び来らず』の登場人物も語っていた。

これは、教師のみならず、一般社会の管理職も同じだ。
演じ方を工夫する。
指導するにしても、
厳しく叱る役、なだめる役があろう。
また、同僚同士で、事前に打ち合わせをして、
阿吽の呼吸で指導するのも効果的であろう。
それが後から来る者のために、
先に生まれた者の役目なのだと考える。

*教師は学者、役者、易者、芸者、医者の五つの立場であれということ

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