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ものさし 筆者:羽根田 ひとみ

我が家では、平日よりも土日の方が朝が早い
部活動のため、
いつもの時間では集合時間に間に合わないからだ。
いよいよ、ゴールデンウィーク。
「2日休めば10連休」というコマーシャルがあった。
しかし、部活動をしている関係者にとっては逆だ。
練習試合のため遠征、合宿等。
朝の集合時間、4時5時は当たり前、
下手をすれば3時集合もある。
しかし、彼らにすればそれは当たり前のことと感じている。

以前、「ブラック部活」と言う言葉を聞いた。
顧問の先生方は休日もなく、手当てもほとんどなく
それでも熱心に指導にあたるのはなぜだ。
そんな先生方を見て、
「民間以上にブラックかもしれないよ」と
高校生に話すことがある。
しかし、先生方の「ものさし(基準)」は、
生徒への思いに溢れているからこそ、
そうした現状を苦労と思わないのだろう。

多くの先生が指摘する。
「卒業生が『あそこはブラック企業だから』と言って、
すぐ辞めてしまうんですよ」
理由を聞くと、
「工場の匂いが臭い」「暑い」「残業がある」「朝早い」
が挙がるそうだ。
ならばなぜその企業に入社したのか。

だったら、営業職がいいのか。
「スーツを着ていいなー」と思う生徒がいる。
しかし、営業職は毎回会議で数字を出される。
それは当たり前のことだ。
成績が良いときは表彰もされるが
悪いとストレスから病になる人もいる。
また、いわゆる「社内ニート」化し
やる気を失っている社員もいる。
人生経験乏しい生徒の「ものさし」では、
測定が難しいのだろう。

以前、私は同僚に
「あなたの体育会系の乗りにはついていけない」
と言われた。
反省をした。
でも仕方がない。「ものさし」が違うのだ。
あまり厳し過ぎるのは問題だが、
そうした社会の「ものさし」の違いをどう教えるのかも、
先生方と親の役目であると感じている。

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