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旅立ちの季節 筆者:羽根田 ひとみ

数年前、甥(4人兄弟の長男)が上京した。
ワゴン車に荷物を積んで彼を送った。
その頃私が作った歌を紹介したい。
私自身も上京した頃を思い出し、
今でもこの季節になるとギター片手に歌っている。

『ふるさと』

元気ですか母さん、父さん相変わらずですか
じちゃんばあちゃん、けんかしながら畑仕事出てますか
俺はこっちでどおにか、街にも慣れたよ
電話はしねえよ、声がかすれたらカッコわりいもんな
遠く広がる桃畑、夏には桃取りすっからな
サンダル流して遊んだ、石ころ投げて水しぶき
Tシャツ濡らして帰った俺のふるさと

昔の人が手を振った、長い旅路の分岐点
期待と不安を胸に抱き、あの日の俺もそうだった
何かといえば半田山、たけのこ飯がうまかったな
懐かしくなってレトルトで作ったらよけいに淋しくなった
曲がりくねった坂道、半田沼へとつづく
弟おぶって俺の手を引く、息を切らして母さん
前に進めと今もなお俺の背中を押す

タオルを巻いて「うぶかの湯」、ホタルの灯り追っかけた
やさしいせせらぎいつまでも、俺のふるさと
見上げるほどの大木になって帰るよ

志(こころざし)を胸に、
多くの若者が旅立つ季節である。
大きなエールを送りたい。

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