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「総合学科高校の変遷から今後の展望を考察する 3」筆者・日本大学商学部 准教授 玉川弘文

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昭和から平成へと時代が変わり、
教育界では「いじめ」「不登校」「校内暴力」「中途退学」が深刻化していた。
その背景として、経済成長の発展とともに、学歴優先意識や偏差値偏重の受験戦争、
大学への進学準備の役割を高校教育が担っていたことがある。
平成元年前後の高等学校の問題点を学科ごとに見ると、
普通科は、多くが大学進学を意識した画一的な教育課程を編成・実施し、
生徒の多様な能力・適性等に必ずしも十分対応できていなかった。
また、就職希望者がいる中、職業に関する概括的な知識や心構えなど、
基礎的な職業準備教育さえほとんど行われていないことも大きな問題であった。
私も、定時制勤務時代、全日制普通科の生徒に進路指導を行った経験がある。
専門学科は、大学進学率の上昇に伴う普通科志向の増加の中で、
基本的に就職する者を主体とした教育が行われているため、進学希望者への対応は十分ではない。
学業が進まない生徒が生まれ、中には問題行動に走ったり、
学業を放棄して中途退学する生徒も少なくなかった。

それまでの普通科と専門学科の2学科の区分を見直し、
生徒の学習の選択幅を拡大することができるよう、
普通教育及び専門教育の選択履修を旨として総合的に施す、
第3の学科として設置されたのが「総合学科」である。
その特長は、
・必履修科目に加え、幅広い選択科目の中から生徒が自由に学ぶ科目を選択できる。
・将来の職業選択を視野に入れた自己の進路への自覚を深めさせる学習を重視する。
である。

【プロフィール】
日本大学商学部准教授
1985年より東京都立高校に勤務
北地区チャレンジスクール(現・桐ヶ丘高等学校)開設準備室 教諭、
北地区総合学科高等学校(現・王子総合高等学校)開設準備室 主幹教諭、
晴海総合高等学校 校長 等を経て、2023年より現職

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