「教師の勢力資源の統合」筆者・苅間澤勇人 更新日: 2025年4月3日
高校生のための進路ナビニュース
昨年、新しい内閣が誕生し、リーダーに石破茂氏が就任しました。
我が国は多くの課題を抱えており、
それらに対して効果的な政策を示し、実行することが求められています。
この点は、今日の教育現場でも同様です。
すなわち、教育におけるリーダーには「具体的なビジョン」と「実行力」が求められ、
理想論にとどまらず、実際の成果を上げることが必要とされています。
新しい年が教育課題を少しずつ解決し、
学校教育に光が見える一年となることを期待したいと思います。
今回まで、教師の6つの勢力資源、
すなわち「正当性」「罰」「親近・受容性」「明朗性」「熟練性」「準拠性」
についてお話ししました。
なお、「外見性」は教師の努力ではなかなか対処できないため、説明から除きました。
読者の皆さんは、ご自身の勢力資源をどのように捉えていますか?
あなたの指導や支援によって生徒が態度を改めるのは、どの勢力資源を認めているからでしょうか。
新年度のスタートにあたり、ご自身の勢力資源を問い直してみることを提案します。
さて、今回は、それぞれの勢力資源が統合して機能することについてお話しします。
高校生は教師の勢力資源を次のように
「教師の人間的魅力」「教師役割の魅力」「罰・強制性」
の3つに統合して捉える傾向があります(※河村、2002)。
(1)「教師の人間的魅力」=親近・受容性+準拠性+正当性
(2)「教師役割の魅力」=熟練性+明朗性
(3)「罰・強制性」
中学生と高校生では、勢力資源の統合の仕方が似ていますが、大きく異なる点があります。
それは、中学生は「教師役割の魅力」の中に正当性を統合しますが、
高校生は「教師の人間的魅力」の中に正当性を統合するという点です(※河村、2002)。
つまり、中学生は授業の教え方の上手さや熱心さを「教師らしさ」と感じるのに対し、
高校生は教師の人間的な部分に「教師らしさ」を感じるのです。
言い換えると、高校生は教師を一人の人間として尊敬できるか、親しみが持てるかを重視します。
そのため、教師が高校生との進路相談の際に、自身の経験や人生観を語ることで
「教師の人間的魅力」を伝え、大きな影響を与えることができます。
最後になりますが、正月にリーダーシップに関する本を数冊読みました。
リーダーシップ論の基本ですが、リーダーが変わるだけで集団が変わるという、
リーダーの影響力の大きさを改めて実感しました。
学級の生徒にとっては教師が、職員室の教師にとっては学校管理職がリーダーです。
今年も、生徒が安心して学び、教師が教職に専念できる環境づくりを支えるために、
教師や管理職のリーダーシップを引き続きサポートしたいと思います。
引用文献
※河村茂雄『教師のためのソーシャル・スキル-子どもとの人間関係を深める技術』
(2002、誠信書房)
【プロフィール】
会津大学文化研究センター 教授 兼 学生部長
2015年から現職
専門領域は「教育学」「教育カウンセリング心理学」
研究テーマは教育困難校での支援