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書くこと、待つこと、会話すること 筆者:羽根田 ひとみ

夏休みの宿題でいちばん嫌だったのは、
作文と読書感想文だった。
原稿用紙3枚をどう埋めるかで悩み、
書き始められなかった。
今、高校生が履歴書の「志望動機」欄で
ペンが止まっている気持ちがよくわかる。

自分の子どもには、そんな苦労をさせたくない。
そこで、私なりの試みをご披露したい。

上の子とは
幼稚園のときから中学3年まで交換日記をしていた。
(高校生になってスマホを持たせてからできなくなった。残念)
その日あったこと、思ったこと、連絡事項など、
会話した内容も改めて文字にした。
ある日は1行だったり、ある日は3ページだったり。
とにかく書き続けた。
「ケンカ」もノートに書いてある。
おかげで書くことが習慣になり、
返事を書かないと叱られるぐらいだった。
(何十冊にもなるノートは宝物だ)

2番目の子の作文の宿題のときは、
「材料」を与えた。
普段の会話の中で、書きやすいヒントを出してあげた。
とにかく聞き取ることに徹した。
彼が思っていること、行ったことを引き出す作業だ。
イライラする気持ちをおさえて、
彼が言葉にするのを根気強く待った。
漢字が書けなくとも指摘することなく、
ただネタ集めの作業だ。
「いいね、いいね。それ面白いね」を連発した。
そのおかげか、大人には書けない彼らしい文章ができた。
(このときの作文は全国2位になった)

今、先生方は、
小論文、志望動機の書き方を指導されている最中だと思います。
生徒とのコミュニケーションのとり方に気を配ることで、
その生徒らしいいい文章ができることを願っています。

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