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「ショートショートを書きましょう」筆者・大阪国際中学校高等学校 橋本光央

高校生のための進路ナビニュース

文部科学省は「生きる力 学びの、その先へ」を謳っており、
学習指導要領『生きる力』第2章国語には、
「詩を創作したり随筆を書いたりするなど、感じたことや考えたことを書く活動」
と記されています。
それにもかかわらず、実際は身近な出来事を作文したり、
読書感想文や説明文を書くにとどまっています。
つまり、“まとめる”ことが中心となっており、お話を“創作”することはないのです。

創作というと「文章を書くのは苦手」と思う人がいるかもしれませんが、
物語を作る上において「書く能力」は、あまり重要ではありません。
大切なのは「“面白い”を見つける力」なのです。
そして、面白いと思うところは人それぞれ。
つまり、一人ひとりの個性だということ、そこがポイントです。
他人とは違う「自分なりの“面白い”を発見する」、
お話を作る上で、その発見がアイデアの基になるのです。
だから、面白いことさえ見つけられれば、勝ったも同然です。
あとは自分の感じた“面白い”を、みんなに分かりやすく教えてあげるだけですから。
この段階になって、やっと文章を書くことになるのですが……。
おそらく最初は単純でストレートな表現しかできないでしょう。
ところが、書いているうちに、もっと分かりやすく伝えるにはどうすればよいか、
そんなことを考えるようになるのです。
話に矛盾や飛躍がなくきちんとつながっているか。
一人称ではなく三人称で書いてみたらどうか。
会話文だけで進めるのも面白そうだし、比喩も入れてみようかな。
そんなふうに思うようになるとしめたもの、表現力とともに論理力そして読解力も高まります。

つまり、創作の勉強、これが文部科学省の言うところの
「生きる力 学びの、その先へ」とつながっているということなのです。
そこで結論です。国語の勉強にショートショート創作を加えてみてはどうでしょう。
発想力、表現力が磨かれること、間違いありません。
そして何より、社会で求められているのは、そんな「発想力に富んだ人」なのです。

【プロフィール】
1989年より大阪北予備校に勤務、
2007年より大阪国際学園に勤務。
橋本喬木・天野大空のペンネームにてショートショートを執筆。
光文社文庫『ショートショートの宝箱』シリーズ等に作品を提供。
https://yomeba-web.jp/special/ss-cam5/

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