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「主体性を育む学級集団づくり」筆者・会津大学文化研究センター 教授 苅間澤勇人

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もうすぐ夏休みです。生徒たちだけでなく、
1学期間、学級づくりや教科指導に全力を尽くした先生方も待ち遠しいのではないでしょうか。

さて、前回(※)お伝えした「参加的リーダーシップ」を発揮され、
先生方と生徒たちが共に学級集団の良さを実感していることと思います。
(※参照:https://shinronavi.com/news/detail/1849 )
残りの1学期間も、この良さを継続して何度も確認してください。
生徒たちが共通の考えやスキルを発揮し、
相互作用を通じて成長していると感じられるようになったら、
教師はリーダーシップを再度変更します。
4月は強めの指導性で学級集団を方向付け、5月は指導性を弱めつつ援助性を強め、
十分な理解に基づいた行動を促しました。
そして、6月は指導性と援助性を共に弱めながら学級集団の良さを共に楽しみました。
つぎに求められるのは、指導性と援助性をさらに弱めた「委任的リーダーシップ」です。

委任的リーダーシップでは、意思決定と実行の責任を生徒に委ねて見守ります。
なぜなら、生徒たちに主体性を発揮してもらいたいからです。
そのために教師は委任的に対応します。
「委任」と聞くと、生徒に任せて何もしないイメージですが、そうではありません。
生徒たちがモチベーションを持ち続けられるように適切な評価を与え、
さまざまな活動で成果が得られるように、生徒たちの見えないところで環境調整を行います。
いわゆる「縁の下の力持ち」としてのリーダーシップです。
その際に、留意すべきことが2つあります。
1つは委任と“放置”をしっかりと区別することです。
どうしても委任の意味を取り違えてしまいがちです。
もう1つは、教師が生徒たちを信頼し尊重することです。
これまで学級集団の状況に応じたリーダーシップを発揮してきましたが、
委任的リーダーシップを発揮する際は、
これまで以上に生徒たちを信頼し尊重することが求められます。

先生方のご努力によって、大地に広く深く根を張り太くてしなやかな幹をもち、
雨風に負けない木々のような生徒たちが育っていると思います。
あと数日で夏休みです。さらなる努力を期待しています。

【プロフィール】
2015年から現職
専門領域は「教育学」「教育カウンセリング心理学」
研究テーマは教育困難校での支援

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