「戦わずして負けること」筆者・ライセンスアカデミー 東京チーム I.M 更新日: 2024年7月20日
高校生のための進路ナビニュース
私の学生時代の友人は、ある小さな島で中学校の体育教員をしている。
野球部監督もしているため、友人のSNSは野球ネタばかりだ。
夏の練習終わりには、みんなで海に飛び込み、
クールダウンしてから帰宅するのが恒例らしい。
東京では考えられないことで、羨ましいと思った。
そんな矢先、衝撃的な内容がSNSにアップされた。
「本日から開催であった県大会予選……。
昨日、隣の島へ移動の予定でしたがまさかの抜港(波の影響で船が接岸できない状況)。
来ない船を無力感で呆然と立ちすくむ生徒たち。泣くこともできない。
予備日がないため、集まれたチームだけで代表校を決定することになりました。
悲願の県大会を目指して夏休みに必死に練習してきた生徒たちは、戦わずして夢が終わりました。
試合で負けるよりも悔しい、野球ができないことを経験しました。
これが離島のハンディなのか?
指導者、大人としてこれを仕方ないで終わらせては絶対にいけない。
次に向け、みんなでもっと心も体も強くなろう」
私はこれを目にしたとき、涙が溢れてきた。
試合をして負けたのならまだしも、戦わずして負けるなんて……。
部活動は試合の勝ち負けが全てではないと分かっている。
部活動を通してさまざまな経験と成長がある。
試合に勝つことを目標として頑張ってきた生徒、
支えてきた先生方や保護者の思いを考えるとやり切れない気持ちになる。
これから高校3年生にとっては大事な進路決定と共に、最後の夏が始まろうとしている。
どちらも精一杯、やり切ってほしいと心から願うばかりだ。
【プロフィール】
三児の母。1999年ライセンスアカデミーを退職。当時は千葉県を担当。
第三子が中学校入学と同時に、2018年復職。現在は東京23区担当。
学生時代は女子サッカー部所属。
全日本学生選手権(大学インカレ)への出場経験あり。