「不登校経験者及び保護者の目標『卒業』に向けて」筆者・日本大学商学部 准教授 玉川弘文 更新日: 2024年6月29日
高校生のための進路ナビニュース
卒業は、不登校経験者及び保護者の切実な願いであり、高いハードルである。
現在の都立桐ヶ丘高校の
「北地区チャレンジスクール基本計画検討委員会報告書」(平成10年11月)には、
以下のように記されている。
単位制高校の特徴を生かし、学期ごとに単位認定を行うとともに、
長期休業期間中などの一定期間の集中講義の単位認定を行う。
さらに、次の二とおりの単位認定の特別措置を採用する。
(1)学校で基準を設置し、すべての生徒に適用するもの
・技能審査の成果 例:簿記検定、漢字検定、英語検定
・実務等による職業科目の一部代替 例:勤務先の会計・接客業
・他の学校との学校間連携 例:自校に設置されていない他の都立高校の授業履修
・専修学校における学習成果 例:簿記等の専修学校での授業
・大学入試資格検定合格科目
・資格取得のための補習指導や特別授業
(2)学習の時間・場所・形態等について、個別に検討するもの
・地域における勤労体験 例:地域行事の補助的活動
・企業、博物館、研究所、大学等での実習や研修 例:オリジナル体験学習の開講
例は、分かりやすくするために加筆した。
学校外学修等による単位修得者数は開校5年目の平成16年度は586、平成30年度には139である。
不登校経験者のための学校は、あらゆる学習機会とさまざまな「人との関わり」の中で
「社会性」を育てながら、卒業に向けての柔軟な対応として「単位認定の弾力化」を行ってきた。
それが、不登校経験者や保護者の願いである目標「卒業」に応える。
そして、不登校経験者の退学を減らす。
【プロフィール】
日本大学商学部准教授
1985年より東京都立高校に勤務
北地区チャレンジスクール(現・桐ヶ丘高等学校)開設準備室 教諭、
北地区総合学科高等学校(現・王子総合高等学校)開設準備室 主幹教諭、
晴海総合高等学校 校長 等を経て、2023年より現職