ツイシドウ 筆者:羽根田 ひとみ 更新日: 2018年8月30日
福島県にある
松韻学園福島高校進路指導部長菅野忠信先生は
毎年6月の初めに就職した1年目の卒業生徒を訪ねる。
県外就職者の「ツイシドウ(追指導)」だ。
今年も3日間、
神奈川、東京、千葉にある10社の企業訪問をする。
この時期は卒業生が不安をかかえるものだ。
行って、励ましと、企業の人事担当者に挨拶をしてくる。
長年のツイシドウで、たくさんのエピソードがある。
訪問を伝えようと電話をした。
「お世話になっております。○○は元気にしていますか?」
と尋ねたところ、
「ああ、1週間で辞めてしまったよ」
とても残念に思う。
この場合は謝罪の訪問をするそうだ。
感動的なエピソードもある。
3年前、神奈川県相模原市の企業を訪ねた際、
卒業生は辞めたがっていたが先生のおかげで
どうにか頑張ることとなった。
先生が帰る時、
「先生また来年来てくれる?」と卒業生が言った。
先生は「必ず来るから、元気で頑張れ」
と約束をして帰ったそうだ。
毎年訪ねるたび、その子はとても喜んで先生を迎える。
「卒業した生徒は、今どうしているだろうか?」
多くの先生が想っている。
離職率が低くなったとは言えない昨今だが
先生方の想いが伝わることを願っている。