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「2=1」筆者・大阪国際中学校高等学校 橋本光央

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2=1を証明せよ。
これは有名な問題なのでご存知の方も多いと思いますが、ここに解答を示すと、
「a = b ならば、a^2 = ab(※^2は2乗を表す)
a^2 - b^2 = ab - b^2
(a + b) (a - b) = b (a - b)
a + b = b
b + b = b
2 = 1」
です。

もう一つ、次に私が中学生の時に考えた証明を紹介します。
「正三角形の頂点を、底辺の中点に折り重ねる。すると、2つの正三角形になる。
それぞれの正三角形の頂点を、それぞれの底辺の中点に折り重ねる。
すると、4つの正三角形になる。
これを無限に繰り返すと、二辺が底辺に重なる。
よって、2=1」
さすがに二つめの証明では「何かおかしい」と気づくでしょうが
(だって、中学生の考えることですから)、
一つめの証明の間違いに気が付かない人もいるのではないでしょうか。

中学生の頃から、私はヘンなことを考えるのが好きでした。
というのも、教えられたことを覚えるだけでは面白くなかったからです。
だから、いろいろなことを考えていたのです。
ただ、そんなことが続けられたのは、私が面白いと思うことを
面白がってくれる先生がいたからだと思います。そして、それは私にとって幸いなことでした。
なぜなら、もし私が考えていたヘンなことを全否定されていたら、
おそらく何も考えない、指示されたことしかできない人間になっていたでしょうから。

ところで、当たり前のことって本当に正しいのでしょうか。1 + 1 って本当に2なのでしょうか。
どんなことでも「なぜ?」と疑問に思って考える、そんな勉強も大切だと思います。
さて、あなたは「1 + 1 = 1ではなく、2になる」ことを、証明できますか。

【プロフィール】
1989年より大阪北予備校に勤務、
2007年より大阪国際学園に勤務。
橋本喬木・天野大空のペンネームにてショートショートを執筆。
光文社文庫『ショートショートの宝箱』シリーズ等に作品を提供。
h光文社文庫『ショートショートの宝箱』

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