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「新年度の環境の変化に適応する」筆者・会津大学文化研究センター 教授 苅間澤勇人

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4月となり、関東以南では桜が満開です(※)。
桜花に心を温かくし、ワクワク感を抱かれた方が多いと思います。
(※編注:4月上旬に執筆いただきました)

さて、新年度をむかえて、誰にも新たな出会いがあったでしょう。
出会いには、ワクワクする期待とドキドキする不安が伴います。
それは高校生、特に新入生も同じです。
できれば早い時期に不安を軽減して、期待に胸を膨らませて、
充実した高校生活が送れるように支援したいと思います。
これは、心理学における「環境移行事態」における適応支援の大切さを意味していますし、
生徒指導提要(文部科学省)の「課題予防的生徒指導(未然防止)」の考え方とも一致しています。

1日目のホームルームは居心地が悪いものです。
それは、初対面のときに、どのように振る舞う(行動する)と良いのかが分からないからです。
集団の適切な行動の基準が不明確なのです。それを「混沌・緊張」の状況と言います。
つまり、教師には、混沌・緊張の状況から学級集団づくりをすることが求められます。
その手法としてグループワークをお奨めします。
例えば、学校グループワークトレーニング(坂野)や構成的グループエンカウンター(國分)、
アイスブレイク(青木)などがあります。
エクササイズ(活動)を通して、
一緒にやっていけそうな仲間だという気持ちをもつことが緊張や不安を軽減します。
その後に、どんな学級にしたいかというイメージを出し合って、
そのために必要な学級の目標やルールを生徒が中心となって決めます。
生徒が決める理由は、与えられたものよりも、
自分たちで定めたもののほうが実現する可能性が高くなるからです。

グループワークの際、
教師は大きな声でハキハキと短い言葉で行動の仕方を指示することが成功のポイントです。
学級集団が混沌としているので、
生徒たちが動きやすいように少し強めのリーダーシップで方向づけをします。
そして、楽しいエクササイズを選んで緊張を緩和するのです。

私が生活する東北では関東から1週間ほど遅れて桜が満開になる予想です。
我々も環境移行を上手く乗り越えて、ワクワクしながら生徒の支援をしたいと思います。

【プロフィール】
2015年から現職
専門領域は「教育学」「教育カウンセリング心理学」
研究テーマは教育困難校での支援

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