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「みんなで頑張る」筆者・大阪国際中学校高等学校 橋本光央

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私の勤める高校では、
バレーボール部を強化クラブに、吹奏楽部を準強化クラブに指定しています。
バレーボール部は今年も春高バレーに出場(過去3度全国制覇)していますし、
吹奏楽部もコンクール金賞の常連です。
そして、今回は数年前にあった吹奏楽部での出来事を紹介します。

その年も、吹奏楽部は金賞を目指して頑張っていました。
ところが一人、演奏に躓いていた生徒がいたのです。そこで、顧問は苦渋の決断をしました。
その生徒をメンバーから外してコンクールに臨むことを部員に伝えたのです。
ところが、他の部員たちがメンバーを外さないよう顧問に訴え、
結局その生徒も一緒にコンクールで演奏することとなったのです。

一般的に、強化クラブでは多くの部員を抱え、その中から最強メンバーを選んで大会に臨むため、
1軍2軍3軍などと分けられていることが多いようです。
ところが、うちは小規模校なので部員が少ないのです。
そのため、50人以上の登録が可能な大編成の部なら、全員が参加できるのです。
それなのに、一人の生徒をメンバーから外すということが、
部員たちには我慢ならなかったのでしょう。そんなことから顧問に掛け合ったのです。
その後部員たちはその生徒をフォローし、みんなで助けあって練習し、
そうして出場したコンクールで、見事金賞に輝きました。
バレーボール部だって同じで、
1学年8名程度、3学年で20数名という少ない人数で部活に励んでいます。
そして、春高などの大会には18名が登録できる(ベンチ入りは14名)ので、
経験の浅い1年生を除くと、2・3年生全員が出場可能なのです。
つまり、バレーボール部も吹奏楽部も、基本的には部員全員が出場できるのです。
だからこそ「みんなで一緒に頑張ろう」という雰囲気が生まれ、クラブがまとまるのです。
そして、そのことが良い結果につながっているに違いありません。
 
文部科学省は、新学習指導要項に基づき、生徒の資質・能力の育成に向けて、
「多様な他者と協働しながら、(中略)持続可能な社会の創り手となることができるよう
(中略)『協働的な学び』を充実することも重要である」
(「学習指導要領の趣旨の実現に向けた個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実に関する参考資料」)
と言っています。

【プロフィール】
1989年より大阪北予備校に勤務、
2007年より大阪国際学園に勤務。
橋本喬木・天野大空のペンネームにてショートショートを執筆。
光文社文庫『ショートショートの宝箱』シリーズ等に作品を提供。
光文社文庫『ショートショートの宝箱』

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