「睦月(1月)に想う」筆者・青木勝美 更新日: 2024年2月3日
高校生のための進路ナビニュース
卒業を数か月後に控えた高校3年生にとって、1月は悩みの多い月である。
おそらく、先日行われた大学入学共通テストの自己採点の得点と大手予備校等のデータにより、
二次試験出願をどの大学にしようか悩んでいる生徒も多いことだろう。
また、総合型選抜や学校推薦型選抜で合格を得た生徒は、
進学先の学校から出された課題の提出期限が迫り、少し焦っているのではないだろうか。
就職内定者は、9月末に進路先から内定を得ている生徒が多い。
その後、企業はハローワークの指示を守り、あまり生徒に接触しないようにしている。
この時期、生徒から「就職内定先から連絡がなく不安」との相談が多い
(実際には1月下旬から2月にかけて各内定先企業から入社に向けての書類が届く。
また、さまざまな連絡があるのであるが)。
本人たちにとっては、「本当にこの会社に内定できているのだろうか」、
「会社は自分を必要としているのだろうか」等々。
社会という未知の世界に向かう生徒の気持ちが、疑心暗鬼になってしまうこともある。
私の経験のなかで、冬休み中に他校の友人たちとの情報交換をするなかで、
自分はこの進路選択でよかったのか迷ってしまった生徒や、
家庭の事情で急遽、進路変更しなければならなかった生徒がいた。
相談を受け、本人や保護者の要望を聞き取り対応することはできたが、
同様のケースの悩みを持った生徒もいたかもしれない。
相談専用窓口があれば、ミスマッチがもう少し防げたと反省している。
卒業直前ではあるが、1月から2月にかけては、進路指導部は気の抜けない時期であった。
ところで、2024年は何という始まりであろうか。
元日の喜び、笑い、温もり、将来の夢の語らい、そして日常が
一瞬にして崩れ去った能登半島の惨状を目の当たりにして、
1月の別名“睦月”の呼称に無情を感じている。しかし、この悲劇的な状況の中でも、
避難所の手助けをする地元の若者たちや、大学入学共通テストに前向きに挑む高校生たちがいる。
また、生活インフラが復旧されないなか弱者を助けようとする人々がいる。
こういう若者たちがいる限り、まだまだ日本は捨てたものでない。
一日も早い復興を願うばかりである。
【プロフィール】
1983年4月より群馬県公立高校教員として勤務
学科主任、学年主任、保健主事、進路指導主事等歴任
2019年、平成30年度 専門高校就職指導研究協議会全国発表
2022年3月、群馬県公立高校教員完全定年(再雇用含む)
2022年4月より(株)ライセンスアカデミー東日本教育事業部顧問として、
おもに就職関係の進路講演、面接指導等を各学校で行う