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「高卒人材 早期離職に想う」筆者・青木勝美

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11月中旬に時事通信社が配信する時事ドットコムに
「4人に1人が勤め先0点? 高卒就職の怪◆3年で4割退職、背景に見えたもの」
との記事があった。
この記事の出だしは、
「高校を出て就職する『高卒人材』の早期離職率が高止まりしている。
4割が3年以内に離職し、4人に1人は就職先を「0点」と評価――。
ある調査で、そんな結果が出るほど、就職先と希望のミスマッチが生じているという。」
(時事ドットコム取材班)
表題にある「背景にみえたもの」として、
長年の慣行である「1人1社制」や「内定辞退原則禁止」が指摘されている。
第三者からすれば、大学生の就活との違いが大きいので、
奇異および“怪”と感じるところなのかと思われる。
現役の教員もこのルールの矛盾点には気づいているが、
短期間の高卒就活スケジュールのなかで、
生徒と企業をマッチングさせなければならないとの使命感から、
半世紀以上続く慣行に従っていると考えられる。

最近、厚生労働省が発表した2020年に卒業した高卒就職者のうち、
3年以内の早期離職者の割合は37.0%となっている。
この調査を辿っていくと2000年は50%を超えていたが、
その後徐々に減少し、2015年以降40%を切っている。
直近2年間は、35%付近で推移している。
七五三(シチゴサン 中卒7割、高卒5割、大卒3割が3年以内に離職)現象と
いわれていた時代から比較すると、かなり改善されている。
これは、多くの学校でインターンシップの実施や進路ガイダンスの開催を通して、
生徒に進路に対する準備を促していることや、
3年次の夏季休業以降、就職希望者は応募前職場見学が可能となり、
企業間の比較検討ができるようになったことが起因しているのだろう。
また、採用企業が福利厚生や待遇面、新入社員の育成を充実させ、
働きやすい職場づくりを目指していることなども要因としてあげられる。

高校卒業する18歳人口は年々減少している。
そのうち高卒就職者は全体の15%程度であり、これも減少傾向である。
若い人材獲得は企業にとって活性化となり職場の活力となる。
反面、ミスマッチによる若年層の早期離職は社会全体にとって大きな損失となり、
経済活動を委縮させる原因となる。
学校と企業が、マッチングの方法やミスマッチ防止策の情報交換ができる場と、
企業と生徒が直接対話できる場がもっと増えればと思う、年の瀬である。

【プロフィール】
1983年4月より群馬県公立高校教員として勤務
学科主任、学年主任、保健主事、進路指導主事等歴任
2019年、平成30年度 専門高校就職指導研究協議会全国発表
2022年3月、群馬県公立高校教員完全定年(再雇用含む)
2022年4月より東日本教育事業部顧問として、
おもに就職関係の進路講演、面接指導等を各学校で行う

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