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「偏見や思い込み」筆者・大阪国際中学校高等学校 橋本光央

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ネトウヨってご存知ですか。ネット右翼の略とされるインターネットスラングで、
ネット上に右翼的な書き込みをする人のことですが、
実生活において右翼的な主張をしているわけではありません。
自分自身の思い込みに反する意見に対して
攻撃的なコメントをする人々全般を指していることが多い言葉です。
その特徴は、特定の国や人種に対する差別的発言をしたり、
新聞やテレビの内容に対して過激な批判を行うなど、誹謗中傷を繰り返すことが挙げられます。
ネット情報の多くは、何の裏付けもない、
単なる個人の(ほとんどが間違った)思い込みに過ぎないのですが。
ところが、偏った言説ばかりに接していると、いつの間にか洗脳されてしまうのです。
そして、偏向した考えでしか物事を考えられなくなってしまうのです。
自分でキチンと調べたわけでもないのに、特定の意見だけを見て、それを信じてしまう人々。
しかし、そんなことから生み出されてしまった偏見が集まり、群集心理となってしまうと大変です。

人間は、偏見や思い込みを生み出してしまう生き物です。
それが、決して正しい判断だというわけではありません。
だから、そのことを自覚した言動をしなければならないし、
偏見を排除した冷静な行動をしなければならないのです。それが大人なのです。
大人になるとは、簡単にいうと「幅広い知識」を持つことです。
一つのことに偏ることのない知識を身に付け、さまざまな方向から考えることが大切です。
知識を求めること、教養を高めること、
そして考えることをやめてしまうと、大変なことになってしまいます。
というのも、単純な扇動やちょっとした怒り・不満の言質に呑まれてしまうからです。
そんな時にヒトラーのような「特定の敵に対する怒り」を駆り立てる人が出てくると、
もう「やっつけるしかない」と思い込まされ、ひいては戦争にもつながってしまう恐れもあります。
どうして勉強しないといけないの?
それは、偏見や思い込みに負けず、正しい判断をするため、そして絶対に戦争をしないためです。
思考停止とならないように、時代の風潮に流された誤った行動をしないように、
さまざまなことを学ぶ目的を意識して、教養を高めることです。
学校教育では、その必要性を理解させることが大切だと考えます。

【プロフィール】
1989年より大阪北予備校に勤務、
2007年より大阪国際学園に勤務。
橋本喬木・天野大空のペンネームにてショートショートを執筆。
光文社文庫『ショートショートの宝箱』シリーズ等に作品を提供。
光文社文庫『ショートショートの宝箱』

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