進路ナビニュース

「夢を実現させるために」筆者・大阪国際中学校高等学校 橋本光央

高校生のための進路ナビニュース

『信じる』とは、どういう意味でしょう。
確認のために辞書で調べてみたところ「そのことを本当だと思う」とありました。
「本当だと思う」ということは、その対象を「正しいと判断している」ということです。
もっと正確に言うと「本当に正しいかどうか」は関係なく、
「自分は正しいと思っている」ということなのです。
つまり、「自分の思い込み」にすぎないのです。
だから、よく「信じていたのに」なんてことになってしまいます、裏切られた場合に。
でも、相手のことを正しいと判断した(信じた)のは自分自身であって、それは自分の責任なのです。
なのに、正しい判断ではなかったと分かった瞬間に
「信じていたのに!」と言って相手を非難するのは、身勝手なのではないでしょうか。

では、なぜ人はわざわざ「信じる」と口にするのでしょう。
それは、実は「信じていない」からです。
100%信じているわけではない事象に対して、
「信じたい」という自分の思いを強めるために「信じる」と口にして
(もしくは、心の中で強く思って)自分を勇気づけているのです。
というのも、本当に正しいと分かっている場合、
その事柄をわざわざ「(正しいと)信じる」と口にする必要がないからです。
「1+1は2になると信じる」なんて言わないでしょう。
いちいち信じると言わなくても、それは絶対的に正しいからです。
                
よく「信じる者は救われる」なんて言います。しかし、だからと言って、
「何でもかんでも言われるままに唯々諾々と信じ込んでしまう」ことは、
「身の破滅」につながってしまいます。
信じることは大切です。ただし、信じることは自分の責任です。
だから、判断する力が必要なのです。
その意味において、信じることは、まったく疑わないこととイコールではありません。
そこで結論です。「信じる」は、「自身の有する知識や情報を総動員して、
その事象が信じるに値するものであるかどうかを
判断できる力をつけることによって生まれるもの」でなければならないのです。
そして、この「いろいろな事象に対して正しく判断する力」
をつけるために大切なのは教育に違いありません。

最後に、信じることはとても大切です。
信じているからこそ、前向きに行動できるからです。
初めから「信じられないこと」なんて、誰もしないでしょう。
行動しないと何も始まりません。だから、信じることはとても大切なのです。
正しい判断の下で強く信じることができれば、
そしてその思いが強ければ強いほど力強く行動するので、
自分のやりたいこと(=夢)の実現につながるのですから。

【プロフィール】
1989年より大阪北予備校に勤務、
2007年より大阪国際学園に勤務。
橋本喬木・天野大空のペンネームにてショートショートを執筆。
光文社文庫『ショートショートの宝箱』シリーズ等に作品を提供。
光文社文庫『ショートショートの宝箱』

TOP