「人工知能(AI)は、人間を…… 続編」筆者・青木勝美 更新日: 2023年11月20日
高校生のための進路ナビニュース
現在は、第3次AIブームだそうである。
そもそもは、AIの研究は、1950年に英国の数学者が著した論文が始まりと言われている。
1960年代半ばには、生成型AIの祖先にあたる対話型チャットロボットが開発され、
第1次AIブームとなった。
1980年代には、コンピューターの進化により、
人間の脳の神経細胞を模倣し、構造化されたネットワークが開発され、第2次AIブームとなる。
その後、IT技術は日々刻々と急加速し、
職場や家庭、個人にPC、インターネット、スマホ等が急速に普及し、今日に至っている。
私たちは、その恩恵を享受している。
さて、現在の第3次ブームの主な観点は、
「正しさよりも大量のデータを統計処理し、
“確率の高い解”を求めることに重点が置かれている」とのこと。
つまり、誤りを許容しているので、AIの答えのすべてが正しい訳ではないということである。
AIは、近々学校現場にも導入されると予想される。
今後の社会生活の中で、IT技術の習得は必要不可欠になることは確実である。
進路指導の現場においても、現在求人票のデジタル化は浸透しつつあり、利便性が高まっている。
さらに、私は、近い将来AIによるオンライン進路相談が可能になると予想している。
個々の生徒の進路希望に合致した企業や上級学校が直接提示され、
生徒はそれに基づいて行動することになる。しかし、AIの大量のデータから引き出した情報を
そのまま鵜呑みにさせるような教育は避けなければならない。
AIは、すべてが正しいとは限らないから、
学校や家庭、社会で身に着けた知識や判断力を駆使して、
自分自身で進路を決める姿勢を涵養することが必要となるであろう。
2045年頃に「シンギュラリティー」(人間を上回る知性の誕生)が訪れる、
といった議論が盛んであるらしい。
研究開始から1世紀も満たないうちに、人間を超えるものが出現しそうである。
AIが、人間に幸福をもたらすか、混乱させるか。
答えは、それを使う人間の理性と倫理観、そして知恵にかかっている。
【プロフィール】
1983年4月より群馬県公立高校教員として勤務
学科主任、学年主任、保健主事、進路指導主事等歴任
2019年、平成30年度 専門高校就職指導研究協議会全国発表
2022年3月、群馬県公立高校教員完全定年(再雇用含む)
2022年4月より東日本教育事業部顧問として、
おもに就職関係の進路講演、面接指導等を各学校で行う