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「限りない幸せを手に入れるために」筆者・大阪国際中学校高等学校 橋本光央

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学生の頃に読んで、とても衝撃を受けたエッセイがあります。
それは「知の欲求を高めよ」というもので、内容は以下のようなものでした。
〇欲望を満たすことは人の喜びではあるが、人間の欲望に限りはない。
〇だから、「あれも欲しい、これも欲しい……」という物欲を完全に満たすことは不可能であり、
それを追い求める人は不幸である。
〇物欲ではなく、人には「あれも知りたい、これも知りたい……」という知の欲望もある。
〇そこで、人が持つ欲望を物欲から知識欲に変えたらいい。
〇限りない知の欲求を満たし続けることが、人としての最高の喜びとなる。

あくまでも私の記憶にあるだけで、誰が書いたのかも分からない話だったので、
確認のため調べてみたのですが……。残念ながら見つけることができませんでした。
ところが、調べているうちに、これと似た言葉を見つけました。
「知的喜びとは、精神自身によって精神のうちに引き起こされる快い情動であり、
知性が精神自身のものとして示す善の享受を成り立たせる」
これは『我思う、ゆえに我あり』で有名なデカルトの言葉ですが、
分かりやすく一言で説明すると「知的喜びがサイコー!」ということでしょう。
デカルトは「万人にとって知的喜びが最高の喜びに違いない」と考えていたのです。
ただ、万人がそう考えるかどうかは「?」ですが。
だから、逆の言い方をすれば、
「誰もが知的なものに対して最高の喜びを感じるような世の中になれば、
社会が高度化し、素晴らしい世界となるに違いない」ということなのです。
そして、そのためには「知的好奇心を生み出す教育が大切」
ということは言うまでもありません。

欲望を満たすことは人間の喜びです。しかし、物欲を満たすにはお金が必要であり、
これを追求すると身を滅ぼしかねません。
ところが、どんなに追い求めても、知の欲求には負の要素はありません。
だから、もし幸せになりたいと思っている人、喜びや嬉しさに飢えている人がいれば、
自身の知の欲求を高めてみてはどうでしょう。
限りない幸せを手に入れることができますから。

【プロフィール】
1989年より大阪北予備校に勤務、
2007年より大阪国際学園に勤務。
橋本喬木・天野大空のペンネームにてショートショートを執筆。
光文社文庫『ショートショートの宝箱』シリーズ等に作品を提供。
光文社文庫『ショートショートの宝箱』

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