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「ビックリが面白い」筆者・大阪国際中学校高等学校 橋本光央

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例えば推理小説を読んだとき、最後に出てくる意外な犯人にビックリします。
例えばお化け屋敷に入ると、突然出てくる幽霊にビックリし、「キャーッ」と叫んでしまいます。
例えばジェットコースターがゆっくり上っていった後、
急下降を始めた時に一変する視界にビックリし恐怖を感じます。
でも人は、そんなビックリをやめられません。というのも、そのビックリが面白いからです。
だから、また行きたくなってしまうのです。人は、ビックリが大好きなのです。

ビックリとは「未知との遭遇」の結果生じるものであり、
「自分の知らないことを知る」という脳への刺激から生まれるものなのですが、
そんなビックリに脳は飢えているのです。ビックリしたくて仕方ないのです。
いや、むしろ「人はビックリするために生きている」と言っても過言ではないでしょう。
というのも、「知らないことを知ること」は楽しいことであり、
「新しいことを知り記憶に留めること」は脳の快楽なのですから。
ということは、「知らないことを学ぶ勉強」は、
まさにビックリの連続なので、本来は面白いことなのです。
それが証拠に、幼い子供は「あれ何、これ何」と訊いてくるでしょう。
子供のころから、人生はビックリに満ち溢れているのです。
逆に言うと、人生にビックリがなくなったとき、
もしくはビックリを求めなくなったとき、人は「死んだも同然」になってしまいます。
合理主義哲学の祖・デカルトも
「情念への生来的傾向をまったく持たない人たちは、通常ひどく無知であるとわかる」
と言っています。
ちなみに、知の巨人が言う「無知である」は、生きる価値がないということを示しています。
このように、ビックリを積極的に求める好奇心旺盛な人は賢くなり、そうでない無知な人は……。

だから、学校では生徒たちに「ビックリの楽しさ」イコール「知的好奇心」を生み育てる、
そんな授業をしなければならないのです。
だって、ビックリを与えられない、知的好奇心を与えられない授業なんて、
死んだも同然なのですから。

【プロフィール】
1989年より大阪北予備校に勤務、
2007年より大阪国際学園に勤務。
橋本喬木・天野大空のペンネームにてショートショートを執筆。
現在、日本SF作家クラブホームページにて『潜入捜査』が公開中。
日本SF作家クラブ

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