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「頭がいい生徒を育てるために」筆者・大阪国際中学校高等学校 橋本光央

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整理整頓という言葉はよく使われますが、「整理」と「整頓」は意味が違うってご存知ですか。
えっ、と思われる方がいるかもしれませんが、
整理は「見た目を整えること」、整頓は「きちんと配置して整えること」を意味しており、
中身はグチャグチャでも見た目がキレイな整理と
必要なものをすぐに取り出せるようにしておく整頓は正反対の意味だったのです。
例えて言えば「たくさんの本がキレイだけど無秩序に並べられている図書館では、
本を探し出すことができない」ということです。
いくらたくさんの本があったって、宝の持ち腐れです。
だから、私は「整理より整頓のほうが大切だ」と思っています。

頭がいい! 小中学生や高校生のころに、多くの人が憧れるのではないでしょうか。
確かに、「成績が良い」「記憶力がいい」って嬉しいことですから。
ところで、「頭がいい」とはどういうことでしょう。その定義はどうなっているのでしょうか。
IQが高い、理解力がある、偏差値が高い、発想力がある、EQが高い、知識豊富など、
いろいろ思い浮かびますが、その定義は曖昧で、一言で言い表すことができません。
ところが、人はきちんと定義されていない事象に対して、正しく対応することはできないのです。
定義が曖昧だと、何が求められているのかが分からないので、
それに向かって頑張ることができないからです。
そして「頭がいい」は曖昧です。
だから、人は頭が良くなることを目指して頑張ることができないのです。
逆に言うと、「頭がいい」を定義することができれば、
それを目標に頑張ることができるようになるのです。
そこで、私は「頭がいい人」を「必要な情報をすぐに使える人」と定義したら良いと考えます。
というのも、たくさんの知識があっても取り出せないなら無用の長物に過ぎないからです。
逆に、必要とする情報をすぐに取り出して、
(知識が不十分な場合でも、今ならスマホ等で調べることができる)
適切な対応をすることができる人は、優れた人だからです。
つまり、頭の中が整頓されていることが「頭がいい」という状態なのです。

人は、きちんと定義された事象に対して、正しい成果を上げることができます。
そして「頭がいい」を定義することができた今、
頭を良くするためには「それに向かって頑張る」だけでいいのです。
では、頭がいい生徒を育てるために、学校でどのような授業をすれば良いかと言うと……、
実は、それが今話題の「探究」なのです。

【プロフィール】
1989年より大阪北予備校に勤務、
2007年より大阪国際学園に勤務。
橋本喬木・天野大空のペンネームにてショートショートを執筆。
現在、日本SF作家クラブホームページにて『潜入捜査』が公開中。
日本SF作家クラブ

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