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「大人になってからのほうが面白い人生」筆者・大阪国際中学校高等学校 橋本光央

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最近、Z世代への関心が高まっています。
「Z世代の新しい価値観が流行を生み出し……」なんてことが言われていますが、
これって今に始まったことではありません。
昔から、新しい何かをつくり出しているのは、その時代の若者たちでした。
「太陽族」「みゆき族」なんて古い若者文化に始まり、「渋カジ系」「アムラー」「エグザイル系」、
私の時代に流行した「カラス族」の時代から「バブル」「ゆとり」「Z世代」。
それぞれの世代の若者たちが新しい価値観を生み出し、時代を楽しんでいたのです。

少し前に、私の知り合いから聞いたお話です。
「……最近出会った若い女の子に、こう言ってやったんですよ。
『人生は大人になってからのほうが面白い』って。
そんなことを言う大人に初めて出会ったそうです、その子は。
でもね、『大人になると辛いよ~』『楽しいのは今だけだよ~』、
そんなことばかり吹き込まれたら『自分の未来』が不安になるのも無理はないでしょ」
そんな刹那的な感覚が、今の若者文化を創り出しているのかもしれません。

では、逆に「大人になってからのほうが面白い人生」を
歩んでいくためには、どうすればいいのでしょう。
例えばSNS。大人がよく使っているFacebookはコミュニケーションを広げるツール、
発信欲求・自己承認欲求が強い若者が使っているのはInstagramのような発信型です。
今は「自意識過剰」な若者が増えているようで、
SNSですら自分をフォローしてくれることを求めた一方的なものとなっています。
でも、自分中心の世界なんて、いつまでも続くわけがありません。一人ぼっちは寂しいです。
やはり、人と人とのつながりがあるほうが楽しいのではないでしょうか。
つまり、「大人になってからのほうが面白い人生」を送るために必要なのは、
コミュニケーション力を高めることです。
つまり「自分が自分が」ではなく、「相手を思ってあげられる」そんな力です。
そして、その力を育むためには「互いに認めあうための教養」が必要なのです。
そして、誰もが互いに理解しあうための深い教養を身に付けると、
それは「大人になってからのほうが面白い人生」にとどまらず、
「世界平和」にもつながっていくに違いありません。

【プロフィール】
1989年より大阪北予備校に勤務、
2007年より大阪国際学園に勤務。
橋本喬木・天野大空のペンネームにてショートショートを執筆。
現在、日本SF作家クラブホームページにて『潜入捜査』が公開中。
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