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「朝令暮改と日々進化」筆者・大阪国際中学校高等学校 橋本光央

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私が予備校で働いていたとき、すぐに方針を代える少し年上の同僚がいました。
まさに朝令暮改の連続でした。
元々そりが合わない人だったこともあり、
あるとき食って掛かって非難したところ、
「お前は何も考えてないのか。せやからアカンねん。
オレはいつも考えている。オレは日々進化してるんや」
と、逆ギレされたことを覚えています。
本当は、深く考えることなく仕事を始めるので、
日々その不備の対応に追われていただけなのですが。             

しかし、今では朝令暮改が肯定的な意味で使われることがあるようです。
というのもAIの進化は凄まじく、また情報においては
日々どころか時々刻々と更新され続けているからです。
そのため仕事にスピーディーな対応が求められており、
一度決めた方針を頑なに守り続けるよりも、
臨機応変に変えていくほうが評価されるようです。
だからといって、何でもかんでもころころと変えるのは良くないことです。
元となっている根っこの部分がブレたらダメなのではないでしょうか。
加えて、情報に左右され過ぎるのも良いことではありません。
それは、メディアにただ踊らされているに過ぎないからです。
やはり、深く考えて行動しなければならないのです。

「将来どうなるか、何に関心を持つのか、見当もつきません。
こんな音楽を作りたいと決めているわけではありません。
人生は日々変わっていきます。
どんな音楽のアイデアが浮かんでも受け入れられるようにと思っています」
これは『In C』『A Rainbow in Curved Air』等で有名な
現代音楽の巨匠テリー・ライリーさんの言葉(『CLASSIC TV』より)です。
彼のような音楽を極めた人ですら、いや、極めた人だからこそ
本質的な部分ではブレずに、その上で時代に合わせて変わっていけるのでしょう。
私たちも現状に甘んじることなく、歩み続けなければなりません。
そのためには、自分の中にコアとなるものをきちんと持つことが大切です。
その上に立って、時代の流れで自分を磨き、正しく変化していかなければならないのです。
朝令暮改を日々進化へポジティプ変化させるためには……。
その第一歩となるのは、自分自身のコアを形成するための教育だと考えます。

【プロフィール】
1989年より大阪北予備校に勤務、
2007年より大阪国際学園に勤務。
橋本喬木・天野大空のペンネームにてショートショートを執筆。
現在、日本SF作家クラブホームページにて『潜入捜査』が公開中。
日本SF作家クラブホームページ

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