「人間はなぜ働くのか」筆者・青木勝美 更新日: 2023年8月17日
高校生のための進路ナビニュース
「人間はなぜ働くのか」、
就職を希望する高校生対象講演のテーマの一つとしてご依頼をいただくことが多い。
教育内容を定めた学習指導要領に「勤労の尊さや創造することの喜びを体得し、
職業観の形成や進路の選択決定などに資する体験が得られるようにする」とある。
しかし、多くの学校では新型コロナの影響で職場体験等ができず、
生徒が働くことのイメージや就職に対する見通しが
不透明な部分があることが予想されることから、このようなご依頼があると判断している。
テーマの切り口として、「なぜ働くのか」、「なぜ働いているのか」、
「なぜ働かなくてはいけないのか」などが考えられるが、
これから真剣に就職を考えようとしている生徒に対して、あまり辛口なことは言えない。
逆に甘口なことも現実に照らすと控えなければならない。
与えられている時間は40分から50分、
「人間はなぜ働くのか」のテーマの配分時間は、4分の1程度(約10数分)。
哲学的な要素を入れ、さらに深堀りすれば、持ち時間では終わらない。
対象は就職を志す生徒であることから、
仕事に対する働くイメージは多少なりともあるものと信じて、
生活・仕事・報酬・貢献・承認(欲求)さらに幸福論を混ぜ合わせ、論旨の組み立てをしている。
要請者の意向をくめば、働くことの厳しさや就職試験の難しさを強調すべきであるが、
昨今の高卒求職者の動向を鑑みれば、全国的に求人数はコロナ前に戻っているが、
求職者数は減少しており、求人倍率は過去最高を記録している。まさに売り手市場である。
ゆえに、厳しさよりも、明るい未来を見据えている生徒に、
自分に合った企業を選べる多くのチャンスがあり、生活の基盤を築けると力説している。
講演の最後に私は、「自分で自分の人生を作るべし」と言って締めている。
最良の進路先が見つかることを願って。
【プロフィール】
1983年4月より群馬県公立高校教員として勤務
学科主任、学年主任、保健主事、進路指導主事等歴任
2019年、平成30年度 専門高校就職指導研究協議会全国発表
2022年3月、群馬県公立高校教員完全定年(再雇用含む)
2022年4月よりライセンスアカデミー東日本教育事業部顧問として、
おもに就職関係の進路講演、面接指導等を各学校で行う