木に学べ 筆者:羽根田 ひとみ 更新日: 2018年8月30日
西岡常一
1908年、奈良県生まれ。
祖父を師に大工見習い、棟梁としての心得、口伝を伝授され、
法隆寺金堂、法輪寺三重塔、薬師寺金堂や西塔などの復元えを果たした最後の宮大工棟梁。
文化財保存技術者、文化功労者。
95年4月、死去。享年86歳。
世界最古の木造建築法隆寺の復元を通して、
西岡氏は生前、次のように語った。
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「木を知るには土を知れ」
「木を買わずに、山を買え」
土質によって材質の違う木が生え、
それを適材適所に使うというのが、建物作る基本ですからな。
木の持つ特質を活かして一本一本の個性をうまく使ってます。
一本一本が木の個性にあわせて仕上げられてますから、
ひとつとして同じものはありません。
強い木は強く、弱い木は弱いなりにうまく木の質を見抜き、
それぞれを使える所に使ってます。
今のようになんでも規格に合わせて、
同じようにしてしまうのは、決していいことではないですな。
人も木も大自然の中でそだてられてますのや。
それぞれの個性を活かしてやらなくちゃいけませんな。
そのためには、個性を見抜いて、のばしてやる。
そういうことが忘れられてますな。
ごらんのとおり、全てが同じじゃおもしろくないし、美しくない。
学者が法隆寺の研究にきて、斗がいくつだとか数えて、
寸法はかっていきますけど、全部違うんでっせ。
こういうものは、それ一個とりだしてもだめで、
全体やつながりを見ないとわかりません。
構造物は社会です。
斗や皿斗や柱は個人個人の人間ですな。
それぞれが、うまく自分の力を発揮して、
組み合わせられて、崩れない形のよい建物ができるわけですな。
以上、西岡常一『木に学べ』より
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会社にもいろいろな人がいる。
同じチームとしてつながりを大事にしてゆきたいと思った。
また、家庭においては
我が家の2番目の子は受験生。
同じ山(家庭)で育っても誰とも比べることなく、
その子の個性を見抜いて伸ばしてあげたいとも思った。