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「受験勉強は役に立つのか」筆者・大阪国際中学校高等学校 橋本光央

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「受験勉強は、入試が終わったら必要ない」、
「受験勉強では、真の学力は身に付かない」などと言われることがあります。
確かに微分積分やベンゼン環、歴史の年号や古文漢文なんて、
日常生活で直接的に使うことはありませんよね。
でも受験勉強って、本当に社会生活で役に立たないのでしょうか。

AIが日々進化の一途をたどるこれからの時代、
さまざまな技術が飛躍的な発展を遂げることでしょう。
想像すらできない技術が開発され、新たな仕事が生まれるに違いありません。
そんな時代に、学生時代に学んだ知識だけをもって、
新しい仕事に対応することなんてできません。
そして、その時になって役に立つのが、
受験勉強で培った「多岐にわたる知識」「勉強をした経験」です。
というのも、中学高校での勉強には、
将来どんな分野に進んだとしても、その基礎となる知識が詰まっているからです。
必要な知識とは、決して「これを学んだから、これに役立つ」という、
直線的なものだけではありません。
いろいろな科目を学んだ結果、大人になった時にそれらが複合的に結びついて、
新しい仕事や発明発見につながる、そのために必要なものなのです。
だから、「知識を化学反応させる」ためにも、
その基となるさまざまな勉強をしておかなければならないのです。
(ただし、「知識だけはもっているけれど、
それを化学反応させられない人」は、宝の持ち腐れですが。)
だから、嫌いな科目も勉強しなければなりません。
でも、何らかのきっかけがなければ、いやな科目なんて勉強しないでしょう。
その最大のきっかけとなるのが受験なのです。
加えて、学ぶことそのものが自分の力になります。
なぜなら、これからの新しい世の中においては、
大人になってからも常に新しいことにチャレンジしていかねばならず、
学び続けなければならないからです。
そして、合格という結果を残した体験がある人ならば、
大人になってからも再び勉強することができるに違いありません。
ところが、高校時代に勉強から逃げ出していた人は、おそらく大人になってからも……。

最後に、歌手・さだまさしさんの恩師である安本衛先生の言葉を紹介します。
「学校は勉強しに来るところではないんだ、学校は勉強の仕方を教わる場所だ。
学校が終われば勉強も終わると思うのは大きな間違いで、
本当の勉強は一生かけてするものなんだ」

【プロフィール】
1989年より大阪北予備校に勤務、
2007年より大阪国際学園に勤務。
橋本喬木・天野大空のペンネームにてショートショートを執筆、
星新一公式サイト・寄せ書きに「星先生の発想法」が掲載されました。
星新一公式サイト「星先生の発想法」

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