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「好きなものから食べるか、嫌いなものから食べるか」筆者・大阪国際中学校高等学校 橋本光央

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ご飯を食べる時に
「好きなものから食べるか、嫌いなものから食べるか」という話があります。
人によって理由もさまざまです。
「楽しみは最後にとっておく」とか、
「お腹いっぱいになれば食べられないから、好きなものから食べる」とか、
他愛ないながらも面白い話題です。しかし、
好きなものだけを食べて、嫌いなものを食べ残しちゃダメですよ!

ところで、これを仕事(学生なら勉強)に置き換えて考えるとどうでしょう。
学生の場合、テスト前になると急に本を読みたくなったり、
部屋の片付けをしたくなることがあるでしょう。
これは「〇〇だったから▲▲はできなかったんだ」と、
悪い結果が予測されるときに先に言い訳になるようなことを用意しておいて
自尊心を保とうとする行動パターンの一つで、
心理学で「セルフハンディキャッピング」と言われているものです。
これは、先生だって同じです。
やりたい仕事もイヤな仕事も両方とも大切なのですが、やりたい仕事から始め、
なかなかイヤな仕事に取り掛からない人が多いのではないでしょうか。
先生にとって「やりたい仕事」は授業など生徒に対する仕事、
「イヤな仕事」は事務作業など直接的には生徒に関係しない仕事です。
だから、例えば提出物。
不思議なことに、生徒に対しては、
「期限までにきちんと提出する」よう厳しく指導している先生でも、
自分が提出しなければならない書類等の期限となると、守れない人がいるのが現実です。
そして、そういう先生に限って「授業が大切、生徒指導が大切」と言うのですが……。
実際のところ、生徒対応もうまくできていない人が多いように思います。

よく、率先垂範と言われます。
ところが世間には「自分が得意なことに限って率先垂範している人」が
多いのではないでしょうか。しかし、
それは「自分勝手」なことであり、そんなことでは誰もついてきません。
結局のところ、何をどのように率先垂範すればよいか、
その優先順位のつけ方が大切なのです。
つまり、皆が避けるような仕事、困難な仕事ほど、
先陣を切って行うことが重要だということです。
なぜなら、それが信頼につながるのですから。
ちなみに、私はご飯を食べるとき、嫌いなものから食べる派です。

【プロフィール】
1989年より大阪北予備校に勤務、
2007年より大阪国際学園に勤務。
橋本喬木・天野大空のペンネームにてショートショートを執筆、
星新一公式サイト・寄せ書きに「星先生の発想法」が掲載されました。
星新一公式サイト「星先生の発想法」

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