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「大志を抱け」筆者・大阪国際中学校高等学校 橋本光央

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2022年から「歴史総合」が必履修科目として導入されました。
これまでは、日本の歴史を「日本史A・日本史B」、
世界の歴史を「世界史A・世界史B」と日本と世界を別々に教えていたものが、
近現代の歴史を「歴史総合」として日本史・世界史を合わせて学習することになりました。
素晴らしいことだと思います。

というのも、今までの日本史授業では国の始まりから丁寧に勉強していくため、
大切な時代にもかかわらず近現代史に対して十分な時間が取られていなかったからです。
しかも、江戸期までは基本的には国内の話だけで完結するので理解しやすいのですが、
近現代となると政治、経済、文化など世界の情勢と複雑に絡んでくるので、
国内の出来事を追っているだけでは理解することができません。
そんなことから、受験生においては近現代を苦手にしている者が多かったのですが、
かねてより私は「それは問題だ」と思っていたからです。
それが今回、「歴史総合」を新設することによって
「今」に直結する時代認識や国際感覚を身につけることができるようになりました。
これによって、世界を視野に入れた社会で活躍する人材を
育てることができるに違いありません。本当に素晴らしいことだと思います。

そして、私が「歴史総合」を素晴らしいと考えるのには、もう一つ理由があります。
それは「志」です。
今、生徒たちの多くは「何のために生きていくか」「何をしたいのか」という、
いわゆる「熱い思い」イコール「志」を持っていません。
クラーク博士ではありませんが、
充実した人生を送るために本当に必要なのは、そんな大志なのに。
そんな「志」ですが、明治時代にはそれがありました。
というのも、維新で活躍した多くは明治元年に30歳前後
(例えば、伊藤博文27歳、板垣退助31歳、西郷隆盛40歳、
前年に暗殺された坂本龍馬は生きていれば32歳、高杉晋作は29歳)の若者で、
彼らには「日本を変える」という志があったからです。
高校入学と同時にそういう熱い時代と、その時代に生きた志高き人々について学び、
明治の気概を感じることによって、自らの志を立てる刺激にしてほしいのです。
きっと、それは自らが「世界に羽ばたく」その礎となるに違いありませんから。
日本史に限らず、「be ambitious」を生み出す教育が大切だと考えます。

【プロフィール】
1989年より大阪北予備校に勤務、
2007年より大阪国際学園に勤務。
橋本喬木・天野大空のペンネームにてショートショートを執筆、
星新一公式サイト・寄せ書きに「星先生の発想法」が掲載されました。
星新一公式サイト「星先生の発想法」

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