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「校則について」筆者・大阪国際中学校高等学校 橋本光央

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少し前になりますが、
「ツーブロックを禁止する校則」がニュースになったことがあります。
私の勤める学校にはなかったので、「なんでやねん」と思ったことを覚えています。
ところで、校則って何なのでしょう。
確認のため調べてみると、
「生徒としての生活指針となる学習上・生活上心得るべき事項を定めた学校内規をさす」
とありました。
となると、ツーブロックの髪型は「生活に支障をきたす」、
ということなのでしょうか。しかし、なぜそんな校則を作るのでしょう。
もちろん「生徒を善道するために必要」だからなのですが、
校則がなくても多くの生徒はきちんとしているし、
校則があっても守る気のない生徒は守りません。

結局のところ、夢想しているに過ぎないのです。
校則があれば「すべての生徒が真面目で規律正しい学生生活を送る」と。
そして、そのために「こんな校則も、あんな規則も必要」と、事細かい校則が作られるのです。
校則が不十分だったら、その欠けたところから生徒が堕落してしまう。
だから完全な校則が必要だ、ということなのでしょう。
そんなことから「ツーブロック禁止」が校則となってしまったに違いありません。

ところが、こんな「どうでもいい校則」の違反者の摘発に熱心な教師って、
実は「生徒のためを思ってやっている」のではないほうが多いのです(あくまでも私見です)。
校則を、金科玉条のごとく、絶対王政の君主きどりで取り締まっている、
そんな方が多いのです。しかし、「決まりだから」「ダメだからダメ」という取り締まりは、
生徒から「何が役に立つのか」を考える機会を奪っているのではないでしょうか。
確かに無意味な校則もあります。しかし、生徒を成長に導くために
「必要な校則」はあるのです。
例えば「校内でのスマートフォン使用禁止」は、依存症の防止につながっているし、
「マナーや言葉遣いに関する校則」は社会人になったときに必ず役に立ちます。
校則とは、教師と生徒が互いに理解したうえで成り立つものです。

どんなに「生徒のためだ」と言ったところで、
真意の説明もなく「規則だから」というだけで
違反者を摘発することに教育的意味はありません。
学校を卒業後、社会に出ていくと、「考えて行動すること」が重要になります。
だから学校生活においても「考えること」が重要なのです。
ツーブロックに限らず、その校則が必要かそうでないのか、
単に「決まりだから」と言うのではなく、「なぜ必要なのか」が大切なのです。
学校側としてはその必要性を説明し、生徒側からは論理性をもって反論する。
そんなことを考え議論することが、教育にとって大切だと考えます。

【プロフィール】
1989年より大阪北予備校に勤務、
2007年より大阪国際学園に勤務。
橋本喬木・天野大空のペンネームにてショートショートを執筆、
星新一公式サイト・寄せ書きに「星先生の発想法」が掲載されました。
星新一公式サイト「星先生の発想法」

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