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「学」筆者・大阪国際中学校高等学校 橋本光央

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新学習指導要領(2022年4月高校入学者から適用)においては、
「これまで以上に『個別最適な学び』と『協働的な学び』を一体的に充実し、
『主体的・対話的で深い学び』の実現に向けた授業改善につなげる」
と記されています。

ところで、今さらですが、『学』とは、どういう意味なのでしょうか。
当然「学」は「學」の「易字体」なので、「學」について説明すると……。
〇上の部分の「メ」は(友達や大人たちとの)交わりを、
そしてそういう人々の「真似をすること」を表しています。
〇上部左右の形は「両手」を表しており、
子供を両手で包み込んでいる形となっています。
〇下の部分に移って「ワ」は家を表しており、
その家の中に「子」がいることを示しています。

つまり「學」とは、「大人の手や建物の中で子供が守り、
そして友達や大人たちと交わりの中から彼らの教えを身に付けていくこと」
を表している文字なのです。
分かりやすく言うと、「いろいろな人と交わることによって成長する」ということです。
まさに、一人ひとりを包み込むような学びであり、
みんなと交わる協働的な学びを意味しています。
だから「学び」とは、教えられることを覚えるだけでなく、
自ら積極的に行動し、大人たちと交わることともに、
友達と一緒に互いに高めあっていくことを意味しているのです。

「學」には、そもそもそういう意味が含まれているのに、
新学習指導要領において改めてそれを示されても、「何を今さら」感が拭えません。
しかし、今は「学」です。
みんなとの交わりを表す「メ」と、
それを守る「両手」の部分がなくなってしまっているのです。
「學」から「学」になった瞬間に、大切なものを捨ててしまったように思えます。
新学習指導要領がどうのこうのではなく、
やはり「学ぶ」というときには、ずっと「學」の精神を持ち続けたいと考えます。

【プロフィール】
1989年より大阪北予備校に勤務、
2007年より大阪国際学園に勤務。
橋本喬木・天野大空のペンネームにてショートショートを執筆、
光文社文庫『ショートショートの宝箱』シリーズ等に作品を提供。
『ショートショートの宝箱』

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