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「高卒求人・高卒就職支援シリーズ(2)学校訪問 ―訪ねる側と迎える側と(後編)―」 筆者・小林英明

高校生のための進路ナビニュース

前編では学校訪問時の企業側からの
求人情報提供に関して、いくつかの留意点をあげた。
後編では直接の求人情報ではないが、
教員が求める情報や訪問時の留意点、
さらに教員の立場から、
企業側に伝えておくと良い情報についても触れる。

この時期の訪問目的はもちろん採用活動であるが、
だからと言って募集や選考にかかわる情報だけを
伝えれば良いというわけではない。
当年だけではなく次年度以降の募集に繋がる、
安心して生徒を送り出してもらえる信頼を得てこその学校訪問である。

では、信頼につながる情報とは何だろうか。
経営の安定性や将来性は当然であるが、
学校訪問は商取引の場ではない。
就職指導教員の着眼点は、
「就職を目ざす高校生を大切にしてくれること」と
「若い社員を丁寧に育ててくれること」である。
前者は応募するかしないかにかかわりなく、
採用か不採用かにかかわりなく、
見学者や応募者に思いやりのある対応をしてくれるかと言うことだが、
これについては別の機会に触れたい。
今回は後者について述べることにする。

求人票が2020年に改訂されて2ページ目に含まれた、
「青少年雇用情報」には研修の有無と内容の記載欄がある。
ここに記載された研修計画は、
確かに社員を育成する姿勢の表明ではある。
しかし、教員に対してもっと説得力のある情報は、
育成の「計画」ではなく「成果」を見せることだろう。
高卒2年目、3年目でどのくらい成長させているのか、
どんな仕事ができるようになっているのか、
これからどのような仕事を、レベルを目ざすのか等々、
若手高卒社員の成長を示す情報の提供である。

一番効果的なのは訪問校卒業生の近況報告だが、
該当者がいなければ近隣校出身者でもよい。
実例を示しながら育成計画を説明することが大きな意味を持つ。
以前進路コラムに書いたことがあるが(2019/7/31配信)、
「こんなふうに育てています。こんなふうに育っています」
という情報ほど就職指導教員を喜ばせ、安心させ、
信頼につながる情報はない。
また、卒業生から後輩への写真付き掲示用メッセージを届けるのも、
専門学校等ではよく行っているが、
生徒への良いアピールになることもあるので、
本人の協力が得られれば試みる価値はある。

さて、ここまでは採用側からの情報についてだったが、
学校側からの情報もある。
私の教員時代には10月以降に求人が継続している可能性を尋ねた上で、
生徒の就活が例年いつごろまで継続するかを伝えていた。
また、校内進路行事には大学、専門学校だけでなく、
高卒採用企業に来ていただくこともあったので、
その内容を説明して参加の可能性を尋ねることもあった。
時にはキャリア教育への協力実績をアピールされる企業もあり、
進路行事をお手伝いいただいたこともあった。
学校訪問は教員と採用担当者が直に会って、
情報交換ができる貴重な機会である。
ぜひ有意義なものにしていただきたい。

【プロフィール】
元都立高校進路指導主任・
多摩地区高等学校進路指導協議会事務局参与/
キャリア教育支援協議会顧問
1976年より都立高校教員。
2004年より都立拝島高校勤務、
2010年より進路指導主任として主に就職指導に当たる。
2019年3月定年退職。

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