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【進路コラム】「AならばB」 筆者・大阪国際中学校高等学校 橋本光央

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高校生のとき、
私は数学・佐野先生の授業が好きでした。
というのも、ほとんどが雑談だったからです。
特に印象に残っている話の一つに、次のものがあります。
「人と話をするときに、まず対偶で話すといい。
それで、相手が『何を言っているのか分からない』
なんてことを言うやつなら、話をするに値しないやつだから」

対偶で話すことは、
論理学の基礎さえ理解していれば簡単なのですが、
そうでない人にとっては難しいようです。
例えば、日常会話で「AならばB」と言ったとき、
”Aならば”という条件を理解しないままに
「さっき、あなたは『B』と言っただろ」
という言いがかりをつける人が多いことからも分かります。
その上「AならばB」の対偶となる
「BでないならAでない」はもっと複雑ですし、
否定としての「AであるがBでない」も理解しにくいかもしれません。
間違って「AでないならB」「AならばBでない」を
「AならばB」の否定と考える人がいるようですから。

対偶や否定は(少し)難しいかもしれませんが、
「AならばB」くらいは正しく理解してほしいものです。
でも、それすら理解できない人は……。
だから佐野先生は、「論理的に正しい話をしているのに、
それを理解できない相手とは話をしても無駄」
「話をするに値する人なら、対偶で話しても分かる人だ」
と言っておられたわけです。 

ところで、ネット投稿に対して付されるコメントには、
的外れなものが多いのではないでしょうか。
というのも、「AならばB」という投稿に対して、
無条件に「Bだ」と読んでしまい、感情的になって
「あなたは『B』と言っただろ」
というクレームをつける人が多いからです。

最近は、日本人なのに日本語を理解できない人が
増えているように思います。
相手の話を聞かない、理解できない、という人たちのことです。
これには、全てをワンフレーズで済ませ、
詳しい説明をしなかったK総理大臣の話し方が
影響しているかもしれませんが……。
それはともかく、
それ以上に、日本人の理系離れ、
数学的思考力の低下が悪影響を及ぼしていると思われます。

数学で培う論理的思考力は、
相手の言っていることを正しく理解し、
言っていないことを勝手に解釈しないように
判断する力をつけてくれるのです。
数学の勉強は、実は人々の誤解をなくし、
コミュニケーション能力を高めることに役立っているのです。
そういう意味においても、
数学の学習は大切にしなければならないと考えます。

【プロフィール】
1989年より大阪北予備校に勤務、
2007年より大阪国際学園に勤務。
橋本喬木・天野大空のペンネームにてショートショートを執筆、
日本SF作家クラブ公式ホームページにて
天野大空として提供した2行ショートショート3作が掲載されました。
「江坂遊とその仲間たちの二行ショートショートを読み解く」江坂遊