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【進路コラム】「不合格体験記 2022」(生徒の皆さんに) 筆者・大阪国際大和田高等学校 橋本光央

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私が予備校で働いていたとき、
生徒たちに「現役合格ができなかった理由」を
書いてもらったことがあります。
そこから学ぶことも多いと思ったからです。
今回は、その不合格体験記を紹介したいと思います。
3年生になった皆さんが、現役合格するために。

『フザケンナ』
不合格通知が届いたとき、
「自分はこの3年間、何をしてたんだ」
と思わずにはいられなかった。
なぜなら高校3年間の記憶というと、
「暑さのためじゃなく、本当に血液が沸騰するくらい
大騒ぎして盛り上がった体育祭」
「『夜参りだ』って言って、徹夜で遊びまわった初詣」などなど。
友達と一緒になって遊んだ記憶は数知れず、
しかも鮮明に残っている。
しかし、自分には「勉強した」という記憶は、全くない。

しかも自分は勉強しなかっただけでなく、
謙虚な気持ちを持たなかった。
予習・復習なんてするはずもなく、授業中は居眠りや内職。
親や先生の言葉にも背を向けて、
「自分には自分のやり方があるんだ、フザケンナ」
と思っていた。
家に帰った時に「お帰りなさい」と声を掛けられても、
それを無視して自分の部屋に直行。
自分勝手で適当なことをして時間をつぶしていた。
周りからみれば、いや、今の自分が考えても、
ふざけているのは自分以外の何者でもなかった。
でも、それは「自分は勉強ができる」という、
全く根拠のない驕りがあったから。
「ちょっと勉強をすれば、人の上にいける。
自分は頭がいいんだ」って。

それでも、入試が近づいてくると
「確かに、このままではまずい」と思った。
思ったものの、それでも大した勉強もせず、
「自分は頭がいいから大丈夫、何とかなる」
と思い上がっていた。
いや、正確に言うなら「現実逃避」していたのだ。
やるべきことはやらず、やりたいことだけを優先する。
まるで本能のまま行動する動物と変わらない生活。
高校時代、何もしてこなかった自分を、
人間として恥ずかしいと思う。
自分は浪人して国立のK大を目指すが、
そのために今年は先生方の言葉を謙虚に受けとめ、
真摯に現実と向き合っていこうと思っている。

最後に、自分は現役合格ができなかったが、
浪人なんてせず「志望校合格」したほうがいいに決まっている。
高校生活は大切だけれど、
「やるべきことを真剣にやる」のも高校生活なのだ。
もし、現役生がこの『不合格体験記』を目にすることがあれば、
一言だけ伝えておきたい。
「あなたは、自分が思っているほど
特別いい頭をもっているわけじゃない。
本当に賢い人というのは、
人並み以上の努力をした人のことなんだよ」って。
自分のような失敗をしないよう、
ぜひ、現役で志望校合格を果たすよう頑張ってください。

さて、あなたはこれを読んで「フザケンナ」と思いますか?

【プロフィール】
1989年より大阪北予備校に勤務、
2007年より大阪国際学園に勤務。
橋本喬木・天野大空のペンネームにてショートショートを執筆、
日本SF作家クラブ公式ホームページにて
天野大空として提供した2行ショートショート3作が掲載されました。
「江坂遊とその仲間たちの二行ショートショートを読み解く」江坂遊

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